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理由で解く 柔道整復師

QJ32P032 一般臨床医学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問32
問題
食道癌の危険因子でないのはどれか。
選択肢
1 喫煙
2 ノロウイルス感染
3 アルコール摂取
4 熱い食物の摂取
解答
正解2(ノロウイルス感染)
解説

食道癌の主な危険因子は喫煙と飲酒(とくに両者の併用)、および熱い飲食物の摂取である。ノロウイルス感染は急性胃腸炎の原因であり食道癌の危険因子ではないので、正解は2。

日本の食道癌は大半が扁平上皮癌で、胸部中部食道に好発する。たばこ煙に含まれる発癌物質と、アルコール代謝の過程で生じるアセトアルデヒドが食道粘膜を繰り返し傷害することが発癌に結びつく。とくにアセトアルデヒドを分解する酵素(ALDH2)の働きが弱く、飲酒で顔が赤くなる体質の人ではリスクが高まり、喫煙と飲酒が重なると相乗的に危険度が上がる。熱い飲食物による粘膜の熱傷害も、反復すれば危険因子となる。症状は嚥下時のしみる感じやつかえ感から始まり、進行すると嚥下困難、体重減少、反回神経浸潤による嗄声が現れる。なお、下部食道に生じる腺癌では胃食道逆流症とバレット食道が背景となり、危険因子の顔ぶれが異なる。

✓ 2. 危険因子でない(これが答え)
ノロウイルス感染
冬季に流行する急性胃腸炎(嘔吐・下痢・腹痛)の原因ウイルスで、経過は一過性である。食道癌の発生との因果関係は示されておらず、危険因子には当たらない。
✗ 1. 危険因子である(答えではない)
喫煙
たばこ煙中の発癌物質が食道粘膜に繰り返し作用し、扁平上皮癌の危険を高める。飲酒と重なると相乗的にリスクが上がる。
✗ 3. 危険因子である(答えではない)
アルコール摂取
アルコールから生じるアセトアルデヒドの粘膜傷害が発癌に関与する。分解酵素の働きが弱い体質ではリスクがさらに高い。
✗ 4. 危険因子である(答えではない)
熱い食物の摂取
熱い飲食物による粘膜の慢性的な熱刺激が、上皮の傷害と再生を繰り返させて発癌に働く。冷ましてから食べる習慣が予防になる。
ポイント
  • 食道癌(扁平上皮癌)の三大危険因子=喫煙・飲酒・熱い飲食物
  • 飲酒で顔が赤くなる体質(ALDH2の働きが弱い)はリスクが高い
  • 喫煙と飲酒の併用は相乗的にリスクを上げる
  • 症状=嚥下時のしみる感じ→嚥下困難・体重減少・嗄声(反回神経浸潤)
  • 下部食道腺癌は胃食道逆流症・バレット食道が背景となり危険因子が異なる
比較表
部位・組織型主な危険因子特徴
食道扁平上皮癌喫煙、飲酒、熱い飲食物日本の食道癌の大半。胸部中部食道に好発
食道腺癌胃食道逆流症、バレット食道、肥満下部食道に生じる。欧米に多い
胃癌ヘリコバクター・ピロリ感染、塩分過多、喫煙慢性萎縮性胃炎が背景
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