学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §12 主要な疾患 消化器疾患 / QJ32P033

理由で解く 柔道整復師

QJ32P033 一般臨床医学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問33
問題
ウイルス性肝炎で正しいのはどれか。
選択肢
1 A型肝炎の60~70%は慢性化する。
2 HBe 抗原陽性は感染性が弱い。
3 HBs 抗体陽性はB型肝炎の既往を示す。
4 C型肝炎は慢性化することはない。
解答
正解3(HBs 抗体陽性はB型肝炎の既往を示す。)
解説

HBs抗体はB型肝炎ウイルスの表面抗原に対する中和抗体で、陽性であればHBV感染の既往(治癒)またはワクチン接種後を示す。よって正解は3。

肝炎ウイルスは「感染経路」と「慢性化するか」の2点で整理する。A型・E型は経口感染で急性肝炎を起こし、原則として慢性化しない(A型は生の魚介類などが感染源となり、まれに劇症化する)。B型・C型・D型は血液・体液を介して感染し、慢性肝炎から肝硬変・肝細胞癌へ進行しうる。B型の血清マーカーは、HBs抗原=現在の感染、HBs抗体=既往感染またはワクチン接種後(防御免疫あり)、HBe抗原=ウイルス増殖が盛んで感染力が強い、HBe抗体=増殖が落ち着いた状態(セロコンバージョン)と読む。C型は感染すると高率に慢性化する点が最大の特徴で、長期の経過で肝硬変・肝細胞癌に至る。

✓ 3. 正しい
HBs 抗体陽性はB型肝炎の既往を示す。
HBs抗体はHBs抗原に対する中和抗体で、感染が治癒した既往例やワクチン接種後に陽性となり、防御免疫を得ていることを意味する。
✗ 1. 誤り
A型肝炎の60~70%は慢性化する。
A型肝炎は経口感染による急性肝炎で、原則として慢性化しない。一過性に経過して治癒し、治癒後は終生免疫が得られる。
✗ 2. 誤り
HBe 抗原陽性は感染性が弱い。
逆である。HBe抗原陽性はウイルスの増殖が活発で血中ウイルス量が多い状態を示し、感染力は強い。血液曝露時の対応を厳重にする必要がある。
✗ 4. 誤り
C型肝炎は慢性化することはない。
逆である。C型肝炎は慢性化率が高く(およそ7割)、慢性肝炎から肝硬変、肝細胞癌へと進行しうる。
ポイント
  • 経口感染=A型・E型(慢性化しない)/血液・体液感染=B型・C型・D型(慢性化しうる)
  • HBs抗原=現在の感染/HBs抗体=既往感染またはワクチン後
  • HBe抗原=増殖が盛んで感染力が強い/HBe抗体=増殖が鎮静化
  • C型は慢性化率が高く、肝硬変・肝細胞癌の主要な原因になる
  • ワクチンがあるのはA型とB型。B型ワクチンはD型の予防にもなる
比較表
ウイルス感染経路慢性化ワクチン
A型経口(食品・水)しないあり
B型血液・体液、母子感染しうるあり
C型血液高率にする(約7割)なし
E型経口(生肉・ジビエ等)原則しない(国内では一般的でない)
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