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理由で解く 柔道整復師

QJ32P030 一般臨床医学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問30
問題
スポーツ心臓にみられるのはどれか。
選択肢
1 頻脈
2 徐脈
3 速脈
4 遅脈
解答
正解2(徐脈)
解説

スポーツ心臓では鍛錬により一回拍出量が増えるため、同じ心拍出量を少ない心拍数でまかなえるようになる。その結果、安静時には徐脈となるので正解は2。

持久的なトレーニングを続けると、心筋が生理的に肥大し心室内腔も拡大して、1回の収縮で送り出せる血液量(一回拍出量)が増える。心拍出量=一回拍出量×心拍数という関係から、一回拍出量が増えれば安静時の心拍数は下がる。さらに、鍛錬者では迷走神経(副交感神経)の緊張が高まることも徐脈に働く。安静時心拍数が40〜50/分程度になることもあるが、運動能力は保たれており、自覚症状がなければ病的なものではない。ただし、失神・胸痛・運動時の異常な息切れなどを伴う場合は、病的な徐脈や心筋症との鑑別が必要なので、医療機関での心電図・心エコー評価につなげる。

✓ 2. 正しい
徐脈
一回拍出量の増加と迷走神経緊張の亢進により、安静時心拍数が低下する。スポーツ心臓の代表的所見(運動性徐脈)である。
✗ 1. 誤り
頻脈
発熱、貧血、脱水、甲状腺機能亢進症、心不全などで代償性に生じる。鍛錬された心臓の安静時所見とは逆方向の変化である。
✗ 3. 誤り
速脈
脈の立ち上がりが急峻で急速に消える脈。脈圧が大きいときにみられ、大動脈弁閉鎖不全症が代表(大脈・速脈)である。
✗ 4. 誤り
遅脈
脈の立ち上がりが緩やかで持続する脈。左室からの駆出が妨げられる大動脈弁狭窄症でみられる(小脈・遅脈)。
ポイント
  • 心拍出量=一回拍出量×心拍数。一回拍出量が増えれば心拍数は下がる
  • スポーツ心臓=生理的心肥大+心腔拡大+安静時徐脈。迷走神経緊張の亢進も関与
  • 速脈・大脈=大動脈弁閉鎖不全症(脈圧が大きい)
  • 遅脈・小脈=大動脈弁狭窄症(駆出が妨げられる)
  • 徐脈でも失神・胸痛を伴えば病的な可能性があり、医療機関での評価につなげる
比較表
脈の異常意味代表的な病態
頻脈心拍数の増加(成人で100/分以上)発熱、貧血、脱水、甲状腺機能亢進症、心不全
徐脈心拍数の減少(成人で60/分未満)スポーツ心臓、房室ブロック、甲状腺機能低下症
速脈・大脈立ち上がりが急、脈圧大大動脈弁閉鎖不全症
遅脈・小脈立ち上がりが緩やか、脈圧小大動脈弁狭窄症
奇脈吸気時に脈が弱くなる心タンポナーデ、収縮性心膜炎
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