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理由で解く 柔道整復師

QJ32P025 一般臨床医学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問25
問題
正しいのはどれか。
選択肢
1 アジソン(Addison)病では浮腫性肥満がみられる。
2 甲状腺機能低下症では著しいやせがみられる。
3 単純性肥満は肥満全体に占める割合が低い。
4 悪液質は予後不良の徴候である。
解答
正解4(悪液質は予後不良の徴候である。)
解説

悪液質(カヘキシー)は悪性腫瘍や慢性の消耗性疾患に伴う著しい全身衰弱・るいそうで、予後不良を示すサインである。よって正解は4。

体型の変化は内分泌疾患を読み解く手がかりになる。副腎皮質ホルモンが不足するアジソン病では、食欲低下・体重減少・低血圧・皮膚粘膜の色素沈着が前面に出て、やせるのが基本である。甲状腺ホルモンが不足する甲状腺機能低下症では基礎代謝が落ちて体重が増え、皮下へのムコ多糖沈着による粘液水腫(押しても圧痕を残しにくい浮腫)が加わって、いわゆる浮腫性の肥満像となる。一方、肥満の大多数は基礎疾患をもたない単純性(原発性)肥満であり、内分泌疾患などによる症候性(二次性)肥満はごく一部にすぎない。悪液質は脂肪だけでなく骨格筋も失われる状態で、体重減少そのものが生命予後の悪化と結びつく。

✓ 4. 正しい
悪液質は予後不良の徴候である。
悪性腫瘍、重症心不全、慢性感染症などの末期にみられ、著明なやせ・筋萎縮・貧血・皮膚の乾燥・無気力を伴う。全身の消耗を反映するため予後不良の徴候とされる。
✗ 1. 誤り
アジソン(Addison)病では浮腫性肥満がみられる。
アジソン病(慢性副腎皮質機能低下症)はコルチゾール・アルドステロンの不足により、食欲不振・体重減少・低血圧・低血糖・色素沈着をきたす。浮腫性の肥満像はむしろ甲状腺機能低下症の所見である。
✗ 2. 誤り
甲状腺機能低下症では著しいやせがみられる。
逆である。代謝低下により体重は増加し、粘液水腫による浮腫が加わる。著しいやせを示すのは代謝が亢進する甲状腺機能亢進症(バセドウ病)のほう。
✗ 3. 誤り
単純性肥満は肥満全体に占める割合が低い。
逆である。肥満の大部分は摂取エネルギー過剰と運動不足による単純性肥満で、クッシング症候群・甲状腺機能低下症・視床下部性などの症候性肥満が占める割合はわずかである。
ポイント
  • 悪液質=著明なるいそうと筋萎縮を伴う全身消耗。悪性腫瘍などの末期にみられ予後不良
  • アジソン病=やせ+色素沈着+低血圧+低血糖(副腎皮質ホルモン不足)
  • 甲状腺機能低下症=体重増加+粘液水腫+徐脈+寒がり+易疲労
  • 甲状腺機能亢進症=やせ+頻脈+発汗+眼球突出
  • 肥満の大部分は単純性(原発性)肥満。症候性肥満はごく一部
比較表
疾患体型あわせて覚える所見
アジソン病やせ色素沈着、低血圧、低血糖、易疲労
クッシング症候群中心性肥満満月様顔貌、野牛肩、皮膚線条、高血圧
甲状腺機能低下症体重増加・浮腫性粘液水腫、徐脈、寒がり、便秘
甲状腺機能亢進症やせ頻脈、発汗、手指振戦、眼球突出
悪液質著明なるいそう筋萎縮、貧血、予後不良の徴候
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