学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §3 診察各論 視診 / QJ32P026

理由で解く 柔道整復師

QJ32P026 一般臨床医学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問26
問題
小脳疾患による失調性歩行の症状はどれか。
選択肢
1 すり足で歩く。
2 不安定で動揺しながら足を広げて歩く。
3 足を高く上げて足先を引きずるように歩く。
4 下肢は伸展したままで外方へ円を描くようにして前進する。
解答
正解2(不安定で動揺しながら足を広げて歩く。)
解説

小脳性の失調性歩行は、体幹のバランスが保てず、両足を左右に広げてふらつきながら歩くのが特徴である。よって正解は2。

歩行の異常は障害された部位ごとにパターンが決まっているため、「どこが壊れるとどう歩くか」で覚えると忘れにくい。小脳は運動の協調とバランスを担うので、障害されると転倒を避けようとして支持面(歩隔)を広げる代償が起こり、酔っぱらいのような動揺性の歩行(酩酊様歩行)になる。つぎ足歩行や直線歩行ができず、開眼していてもふらつく点が、閉眼で著しく悪化する後索障害(感覚性失調)との違いである。錐体路が障害されれば筋緊張が亢進して下肢が突っ張り、末梢神経が障害されれば足関節の背屈ができなくなり、それぞれ別の歩容を生む。

✓ 2. 正しい
不安定で動揺しながら足を広げて歩く。
小脳性運動失調の典型像。歩隔を広げ(開脚歩行)、体を左右に動揺させながら進む。つぎ足歩行が困難で、四肢の協調運動障害(測定障害、変換運動障害)を伴う。
✗ 1. 誤り
すり足で歩く。
足が床から離れにくい小刻み歩行・すくみ足で、パーキンソン病など大脳基底核の障害でみられる。前傾前屈姿勢や突進現象を伴う。
✗ 3. 誤り
足を高く上げて足先を引きずるように歩く。
下垂足のためにつま先が垂れ、それを引っかけないよう膝を高く上げてつま先から接地する鶏歩。総腓骨神経麻痺など末梢神経障害でみられる。
✗ 4. 誤り
下肢は伸展したままで外方へ円を描くようにして前進する。
痙性片麻痺による分回し歩行。脳血管障害後の錐体路障害でみられ、下肢は伸展・内転位、上肢は屈曲位をとる(ウェルニッケ・マン肢位)。
ポイント
  • 小脳性失調=開脚(wide base)で動揺する酩酊様歩行。開眼でもふらつく
  • 感覚性失調(後索障害)=閉眼で著明に悪化(ロンベルグ徴候陽性)、踵を打ちつける歩行
  • パーキンソン歩行=前傾前屈・小刻み・すり足・すくみ足・突進現象
  • 痙性片麻痺=分回し歩行+ウェルニッケ・マン肢位
  • 鶏歩=下垂足のため膝を高く上げる。総腓骨神経麻痺が代表
比較表
歩行の型特徴障害部位・代表疾患
失調性(酩酊様)歩行足を広げ動揺、直線歩行が困難小脳
小刻み・すり足歩行前傾前屈、突進現象、すくみ足大脳基底核/パーキンソン病
分回し歩行下肢伸展のまま外方へ弧を描く錐体路/脳血管障害後片麻痺
鶏歩膝を高く上げ、つま先から接地末梢神経/総腓骨神経麻痺
動揺性(あひる)歩行腰を左右に振る中殿筋筋力低下、進行性筋ジストロフィー
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。