学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §8 リハビリテーションと福祉 / QJ32P021

理由で解く 柔道整復師

QJ32P021 リハビリテーション医学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問21
問題
介護保険において「要支援1・2」の認定原因で最も多いのはどれか。
選択肢
1 認知症
2 関節疾患
3 脳血管障害
4 パーキンソン(Parkinson) 病
解答
正解2(関節疾患)
解説

要支援1・2の段階では関節疾患が最多です。要介護度が重くなるにつれて認知症や脳血管疾患が前面に出るという入れ替わりが、この問題の核心です。

介護が必要となった主な原因は国民生活基礎調査で調べられており、要介護度によって順位が入れ替わるのが最大のポイントです。第32回国家試験が実施された2024年(令和6年)3月時点で最新であった令和4年(2022年)調査では、要支援者では関節疾患が約19%で第1位、続いて高齢による衰弱が約17%、骨折・転倒が約16%と、運動器の問題と老年症候群が上位を占めます。一方、要介護者(要介護1〜5)全体では認知症が第1位、脳血管疾患(脳卒中)が第2位、骨折・転倒が第3位となり、要介護4・5に限れば脳血管疾患が最多になります。理屈で結びつけると、関節の痛みや転倒は「自立してはいるが日常生活の一部に支援が要る」段階をつくり、認知症や脳卒中の後遺症は「介助がなければ生活が成り立たない」段階をつくる、ということです。柔道整復師にとっては、要支援の主因が関節疾患・骨折転倒であること、すなわち運動器へのアプローチが介護予防の中心を担うという点が実務上も重要になります。

✗ 1. 最も多くはない
認知症
要介護(要介護1〜5)全体では第1位を占める原因ですが、要支援の段階では上位に入りません。認知症は判断力や実行機能の低下により生活全般に見守り・介助を要するようになるため、軽度の支援では収まらず要介護度の高い層に集中します。
✓ 2. 正しい
関節疾患
要支援者の原因として最も多い項目です。変形性膝関節症、変形性股関節症、腰部脊柱管狭窄症などによる痛みと可動域制限が、歩行・立ち上がり・階段昇降を妨げ、支援が必要な状態を招きます。裏を返せば、疼痛管理と下肢筋力・バランス訓練、環境調整によって要介護状態への進行を防ぎうる領域であり、介護予防事業の主要な標的でもあります。
✗ 3. 最も多くはない
脳血管障害
片麻痺や高次脳機能障害を残しやすく、重い介護度をもたらす代表的な原因で、要介護4・5では第1位となります。ある日を境に一気に生活機能が落ちるため、軽度の支援で足りる要支援の層では最多にはなりません。
✗ 4. 最も多くはない
パーキンソン(Parkinson) 病
介護保険の特定疾病(40〜64歳の第2号被保険者が給付を受けられる16疾病)に含まれ、進行すれば介護度も上がりますが、原因全体に占める割合は数%にとどまります。無動・固縮・振戦・姿勢反射障害により転倒しやすく、すくみ足への視覚・聴覚的な手がかりの利用など、進行度に応じた対応が必要です。
ポイント
  • 要支援1・2の原因:1位 関節疾患、2位 高齢による衰弱、3位 骨折・転倒(令和4年国民生活基礎調査)
  • 要介護1〜5全体の原因:1位 認知症、2位 脳血管疾患、3位 骨折・転倒
  • 要介護4・5では脳血管疾患が最多。介護度が重いほど脳卒中・認知症の比重が増す
  • 軽度=運動器(関節・骨折)、重度=脳(認知症・脳卒中)という対比で覚える
  • 要支援の主因が運動器であることは、疼痛管理・筋力とバランス訓練・転倒予防が介護予防の中心になる根拠
比較表
順位要支援者要介護者(要介護1〜5)要介護4・5
1位関節疾患認知症脳血管疾患
2位高齢による衰弱脳血管疾患認知症
3位骨折・転倒骨折・転倒骨折・転倒
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