学習トップ理由で解く 柔道整復師衛生学・公衆衛生学 ▸ §2 公衆衛生 / QJ32P005

理由で解く 柔道整復師

QJ32P005 衛生学・公衆衛生学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問5
問題
精神障害で最も多いのはどれか。
選択肢
1 アルコール使用(飲酒)による精神障害
2 血管性認知症
3 統合失調症
4 気分障害
解答
正解4(気分障害)
解説

精神疾患で医療を受けている人のうち最も多いのは気分(感情)障害、すなわちうつ病・双極性障害である。

精神疾患の患者数は患者調査で把握される。第32回(2024年実施)の時点で参照できる患者調査(2020年)では、気分(感情)障害〈躁うつ病を含む〉が約172万人で最多、次いで神経症性障害・ストレス関連障害および身体表現性障害、統合失調症等、認知症の順であった。精神疾患の患者総数は長期的に増加傾向にあり、とくに気分障害と認知症の伸びが大きい。こうした状況を受けて、2013年度からは医療計画に定める疾病に精神疾患が加えられ、がん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病とあわせた「5疾病」として重点的に対策が組まれている。うつ病は自殺と結びつきやすいため、職場のストレスチェックなどの一次予防、かかりつけ医や周囲の気づきによる早期受診(二次予防)、再発防止と復職支援(三次予防)まで、公衆衛生上の重要課題となっている。

✗ 1. 誤り
アルコール使用(飲酒)による精神障害
アルコール関連の精神・行動の障害は、健康被害の大きさに比べて受療している患者数は少なく、精神疾患のなかで最多ではない。依存症は本人が問題と認めにくく治療につながりにくいため、実態より受療数が小さく出やすい点も知っておきたい。
✗ 2. 誤り
血管性認知症
認知症全体は高齢化に伴い増えているが、その内訳ではアルツハイマー型が最も多く、血管性認知症はその次である。したがって血管性認知症単独では精神障害の最多にはならない。
✗ 3. 誤り
統合失調症
統合失調症の生涯有病率は0.7〜1%程度で人口に対する割合は安定しているが、患者数では気分障害に及ばない。かつては精神科入院患者の中心を占めていたため「精神疾患といえば統合失調症」という印象が残りやすいが、外来を含む総患者数では気分障害が上回っている。
✓ 4. 正しい
気分障害
うつ病・双極性障害を含む気分(感情)障害が最も多い。第32回出題当時に参照された患者調査(2020年)で約172万人と、精神疾患のなかで最大の患者数を占めていた。
ポイント
  • 精神疾患の患者数は患者調査で把握し、最多は気分(感情)障害〈うつ病・双極性障害〉。
  • 第32回出題時点(2024年)で参照された2020年患者調査では気分障害が約172万人で最多。
  • 次いで神経症性障害・ストレス関連障害、統合失調症等、認知症の順。
  • 統合失調症の生涯有病率は0.7〜1%程度で安定。入院患者の印象と総患者数の順位は一致しない。
  • 2013年度から医療計画の「5疾病」(がん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病・精神疾患)に精神疾患が追加された。
比較表
疾患群患者数の位置づけ特徴
気分(感情)障害最多うつ病・双極性障害。自殺との関連が強く増加傾向
神経症性障害・ストレス関連障害等2番目に多い不安症、適応障害、身体表現性障害など
統合失調症等気分障害より少ない生涯有病率0.7〜1%程度でほぼ一定
認知症高齢化に伴い増加内訳はアルツハイマー型が最多、血管性がこれに次ぐ
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。