学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §2 血液 / QJ32A093

理由で解く 柔道整復師

QJ32A093 生理学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問93
問題
血小板の産生を促進するのはどれか。
選択肢
1 フィブリノゲン
2 トロンボポエチン
3 顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)
4 マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)
解答
正解2(トロンボポエチン)
解説

血小板の産生を促すのはトロンボポエチンである。主に肝臓で作られ、巨核球の増殖・成熟を促して血小板の産生量を増やす。

造血因子は「どの系統を増やすか」で名前が対応していると考えると整理しやすい。赤血球系はエリスロポエチン(主に腎臓の尿細管間質細胞が低酸素に応じて産生)、好中球などの顆粒球系はG-CSF、単球・マクロファージ系はM-CSF、そして血小板系がトロンボポエチンである。トロンボポエチンは造血幹細胞から巨核球への分化と巨核球の成熟(核内倍加による多核化)を進め、成熟した巨核球の細胞質がちぎれて血小板が生まれる。血中トロンボポエチンは血小板や巨核球の受容体(c-Mpl)に結合して消費されるため、血小板が減ると相対的に遊離濃度が上がり産生が促されるという自動調節が働く。フィブリノゲンは凝固因子であって造血因子ではない点が本問の要である。

✓ 2. 正しい
トロンボポエチン
主として肝臓で産生される造血因子で、巨核球の増殖と成熟を促進し、そこから産生される血小板を増やす。血小板減少時には相対的に遊離濃度が上昇し、産生が自動的に高まる。
✗ 1. 該当しない
フィブリノゲン
肝臓で作られる凝固第I因子で、トロンビンの作用でフィブリンに変換され血栓の網を作る。血液凝固の材料であり、血小板を産生させるホルモン様因子ではない。
✗ 3. 該当しない
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)
好中球を中心とする顆粒球系の前駆細胞の増殖・分化・機能亢進を促す因子である。名前のとおり顆粒球が対象であり、血小板系には作用しない。
✗ 4. 該当しない
マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)
単球・マクロファージ系の増殖と分化を促す因子で、破骨細胞の分化にも関与する。こちらも血小板の産生には直接関与しない。
ポイント
  • 血小板系=トロンボポエチン(主に肝臓産生、巨核球を成熟させる)。
  • 赤血球系=エリスロポエチン(主に腎臓産生、低酸素で分泌増加)。
  • 顆粒球系=G-CSF、単球・マクロファージ系=M-CSF。名称と系統が一致している。
  • 血小板は巨核球の細胞質がちぎれてできる無核の細胞片。寿命はおよそ8〜10日。
  • フィブリノゲンは凝固第I因子で造血因子ではない。「凝固」と「造血」の話題を混同しない。
比較表
因子主な産生部位増やす細胞
トロンボポエチン肝臓巨核球 → 血小板
エリスロポエチン腎臓赤芽球 → 赤血球
G-CSFマクロファージ・線維芽細胞など顆粒球(好中球)
M-CSF線維芽細胞・内皮細胞など単球・マクロファージ
フィブリノゲン(参考)肝臓—(凝固第I因子)
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