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理由で解く 柔道整復師

QJ32A089 生理学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問89
問題
インスリンに依存してグルコースの取り込みが促進するのはどれか。
選択肢
1 赤血球
2 脂肪細胞
3 腸上皮細胞
4 腎尿細管細胞
解答
正解2(脂肪細胞)
解説

インスリンによってグルコースの取り込みが促進されるのは、糖輸送担体GLUT4をもつ組織、すなわち脂肪細胞・骨格筋・心筋である。選択肢では脂肪細胞が該当する。

GLUT4は普段は細胞内の小胞にしまわれている。インスリンが受容体に結合すると細胞内シグナル(PI3K経路)が働き、GLUT4を含む小胞が細胞膜へ移動して融合する(トランスロケーション)。その結果、膜上の輸送担体が一気に増えてグルコースが濃度勾配に従って流れ込む。逆に言えば、GLUT4以外の輸送担体しかもたない細胞はインスリンがあってもなくても取り込み量が変わらない。赤血球・脳・肝臓はGLUT1やGLUT2、GLUT3といった常時膜上にある担体を使い、小腸や腎尿細管の管腔側はNa⁺と共輸送するSGLTを使う。「インスリン依存=GLUT4=筋肉と脂肪」と結びつけて覚えるとよい。

✓ 2. 正しい
脂肪細胞
骨格筋・心筋とともにGLUT4をもつ代表的なインスリン標的組織である。インスリン刺激でGLUT4が細胞膜へ移動してグルコース取り込みが増え、取り込まれた糖は中性脂肪の合成に用いられる。
✗ 1. 該当しない
赤血球
常に膜上にあるGLUT1でグルコースを取り込む。赤血球はミトコンドリアをもたず解糖系だけでATPを得るため、血糖の状況によらず安定して糖を取り込む必要があり、インスリンには依存しない。
✗ 3. 該当しない
腸上皮細胞
管腔側ではSGLT1がNa⁺の濃度勾配を利用してグルコースを能動的に吸収し、基底側からGLUT2で血中へ送り出す。吸収の原動力はNa⁺勾配であってインスリンではない。
✗ 4. 該当しない
腎尿細管細胞
近位尿細管でろ過されたグルコースを再吸収するのはSGLT2(主に近位曲部)とSGLT1で、こちらもNa⁺共輸送による。インスリンの有無で再吸収量が決まるわけではない。
ポイント
  • インスリン依存性の糖取り込み=GLUT4をもつ骨格筋・心筋・脂肪組織
  • 仕組みはGLUT4小胞の細胞膜へのトランスロケーション(膜上の担体を増やす)。
  • 赤血球・脳はGLUT1/GLUT3、肝はGLUT2でインスリン非依存的に取り込む。
  • 小腸管腔側はSGLT1、腎近位尿細管はSGLT2/SGLT1によるNa⁺共輸送(能動輸送)。
  • インスリンはこのほか、グリコーゲン合成・脂肪合成・蛋白合成を促進する同化ホルモン。
比較表
組織輸送担体インスリン依存性
骨格筋・心筋・脂肪細胞GLUT4あり
赤血球・脳GLUT1・GLUT3なし
肝細胞・膵β細胞GLUT2なし
小腸上皮(管腔側)SGLT1(Na⁺共輸送)なし
腎近位尿細管(管腔側)SGLT2・SGLT1なし
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