学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ32A075

理由で解く 柔道整復師

QJ32A075 解剖学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問75
問題
副交感神経線維を含むのはどれか。
選択肢
1 眼窩上神経
2 眼窩下神経
3 動眼神経
4 視神経
解答
正解3(動眼神経)
解説

副交感神経線維を含むのは動眼神経です。脳神経で副交感線維を出すのは動眼(Ⅲ)・顔面(Ⅶ)・舌咽(Ⅸ)・迷走(Ⅹ)の4つに限られます。

動眼神経の副交感線維は中脳の動眼神経副核(Edinger–Westphal核)から起こり、節前線維として眼窩内に入って毛様体神経節でニューロンを交代します。節後線維は短毛様体神経となり、瞳孔括約筋と毛様体筋を支配して縮瞳と水晶体の調節(近見反応)を起こします。残る3つはいずれも感覚性で、眼窩上神経と眼窩下神経は三叉神経由来の皮膚知覚枝、視神経は網膜からの視覚を伝える特殊感覚性の求心路です。対光反射は「求心路=視神経、遠心路=動眼神経」という組み合わせなので、両者を対で押さえると役割の違いが整理でき、瞳孔所見の読み取りにも直結します。

✓ 3. 正しい
動眼神経
動眼神経副核から出た副交感節前線維が毛様体神経節で交代し、短毛様体神経として瞳孔括約筋・毛様体筋を支配します。運動線維は上眼瞼挙筋と外眼筋を支配しますが、外眼筋のうち外側直筋は外転神経(Ⅵ)、上斜筋は滑車神経(Ⅳ)の支配であり、動眼神経には含まれません。
✗ 1. 誤り
眼窩上神経
三叉神経第1枝(眼神経)から出る前頭神経の枝で、眼窩上切痕を通って前額部・前頭部の皮膚知覚を担う感覚枝です。副交感線維は含みません。
✗ 2. 誤り
眼窩下神経
三叉神経第2枝(上顎神経)の枝で、眼窩下孔から出て下眼瞼・頬部・上唇の皮膚知覚を担う感覚枝です。副交感線維を出す神経ではありません。
✗ 4. 誤り
視神経
網膜の神経節細胞の軸索が集まった特殊感覚性(視覚)の求心路で、発生学的には間脳が伸び出した中枢神経の一部です。対光反射では求心路として働きますが、副交感線維は含みません。
ポイント
  • 副交感線維を含む脳神経はⅢ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹの4つ。
  • Ⅲ 動眼神経:動眼神経副核 → 毛様体神経節 → 瞳孔括約筋・毛様体筋(縮瞳・調節)。
  • Ⅶ 顔面神経:上唾液核 → 翼口蓋神経節(涙腺・鼻腺)/顎下神経節(顎下腺・舌下腺)。
  • Ⅸ 舌咽神経:下唾液核 → 耳神経節 → 耳下腺。
  • Ⅹ 迷走神経:迷走神経背側核 → 頸部・胸部・腹部の臓器(横行結腸の途中まで)。
  • 外眼筋の支配は3つに分かれる:外側直筋=外転神経(Ⅵ)、上斜筋=滑車神経(Ⅳ)、残りの外眼筋と上眼瞼挙筋=動眼神経(Ⅲ)
  • 散瞳を起こす瞳孔散大筋は交感神経(上頸神経節由来)の支配で、動眼神経とは別系統。
比較表
神経性質起始核/由来支配・分布
動眼神経(Ⅲ)運動+副交感動眼神経核/動眼神経副核上眼瞼挙筋と外眼筋(外側直筋と上斜筋を除く)/瞳孔括約筋・毛様体筋
滑車神経(Ⅳ)(参考)運動滑車神経核上斜筋のみ
外転神経(Ⅵ)(参考)運動外転神経核外側直筋のみ
眼窩上神経感覚(体性)三叉神経第1枝(眼神経)→前頭神経前額部・前頭部の皮膚
眼窩下神経感覚(体性)三叉神経第2枝(上顎神経)下眼瞼・頬部・上唇の皮膚
視神経(Ⅱ)特殊感覚網膜神経節細胞視覚(対光反射の求心路)
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