学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ32A074

理由で解く 柔道整復師

QJ32A074 解剖学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問74
問題
遠心性神経線維のみを通すのはどれか。
選択肢
1 脊髄神経の前枝
2 脊髄神経の後枝
3 脊髄の前根
4 脊髄の後根
解答
正解3(脊髄の前根)
解説

遠心性(運動性)線維だけを通すのは脊髄の前根です。前根は運動、後根は感覚というBell–Magendieの法則が根拠になります。

脊髄前角の運動ニューロンから出た軸索は前根を通って脊髄を出ます。胸髄から上部腰髄(側角)や仙髄の一部では自律神経の節前線維も前根に加わりますが、これも中枢から末梢へ向かう遠心性線維なので「遠心性のみ」という条件は保たれます。一方、後根には脊髄神経節(後根神経節)にある偽単極性ニューロンの中枢突起が集まり、こちらは求心性のみです。前根と後根は椎間孔の付近で合流して脊髄神経(混合神経)となり、その後に前枝と後枝へ分かれます。したがって前枝も後枝も運動・感覚の両方を含みます。「一方向のみか」を問われたら、枝ではなく根のレベルまで戻って考える習慣をつけると確実です。

✓ 3. 正しい
脊髄の前根
前角の運動ニューロンの軸索と、側角由来の自律神経節前線維が通ります。いずれも中枢から末梢へ向かう遠心性線維で、感覚線維は含みません。
✗ 1. 誤り
脊髄神経の前枝
前枝は前根と後根が合流した脊髄神経が分かれたものなので混合性です。頸・腕・腰・仙骨神経叢をつくり、四肢と体幹前外側の運動と感覚をともに担います。
✗ 2. 誤り
脊髄神経の後枝
後枝も同じく合流後の枝で混合性です。固有背筋の運動と背部皮膚の感覚を担当します。
✗ 4. 誤り
脊髄の後根
後根は脊髄神経節のニューロンの中枢突起からなり、末梢から中枢へ向かう求心性線維のみを通します。方向が逆です。
ポイント
  • Bell–Magendieの法則:前根=遠心性(運動)、後根=求心性(感覚)。
  • 前根の内訳:体性運動線維+自律神経節前線維(交感=T1〜L2/L3、副交感=S2〜S4)。いずれも遠心性。
  • 後根には後根神経節(脊髄神経節)があり、その中枢突起が脊髄後角へ入る。
  • 前根+後根=脊髄神経(混合神経)→ 前枝・後枝へ分岐。枝はどちらも混合性
  • 前枝は神経叢をつくって四肢・体幹前外側へ、後枝は固有背筋と背部皮膚へ分布する。
比較表
部位含む線維方向分布・特徴
前根体性運動+自律神経節前線維遠心性のみ前角・側角の細胞体から出る
後根体性感覚+内臓感覚求心性のみ後根神経節をもつ
前枝運動+感覚混合神経叢を形成、四肢・体幹前外側
後枝運動+感覚混合固有背筋と背部皮膚
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