学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ32A073

理由で解く 柔道整復師

QJ32A073 解剖学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問73
問題
脳の構造物で一番前方にあるのはどれか。
選択肢
1 四丘体
2 視交叉
3 松果体
4 乳頭体
解答
正解2(視交叉)
解説

挙げられた4つのうち最も前方にあるのは視交叉です。脳底面を前から後ろへたどる順番で整理すると迷いません。

脳を下から見ると、嗅索の後方に視交叉があり、その後ろに灰白隆起と漏斗(下垂体柄)、さらに後方へ乳頭体、脚間窩、大脳脚、橋と続きます。視交叉は視床下部の前端にあたり、下垂体のほぼ真上に位置します。一方、松果体は間脳の背側後方で第三脳室の後壁から後ろへ突き出し、四丘体(上丘・下丘)は中脳の背側面をつくります。したがって前後の並びはおおむね視交叉 → 乳頭体 → 松果体・四丘体となり、視交叉が最前方です。「視交叉・乳頭体は間脳の腹側、松果体は間脳の背側、四丘体は中脳」と所属で分けると、位置関係が固定できます。

✓ 2. 正しい
視交叉
視交叉は視床下部の前端で、漏斗・下垂体の前上方にあります。脳底面で嗅索のすぐ後方に現れる構造で、4つのなかで最も前方です。
✗ 1. 誤り
四丘体
四丘体は中脳の背側面をつくる上丘・下丘の隆起です。中脳は間脳の後下方にあるため、4つのなかでは最も後方に位置します。
✗ 3. 誤り
松果体
松果体は間脳の背側(視床上部)に属し、第三脳室後壁から後方へ突出して四丘体の上方に乗るように位置します。視交叉よりはるかに後方です。
✗ 4. 誤り
乳頭体
乳頭体は視床下部の後部にある一対の小隆起で、視交叉・灰白隆起の後方、脚間窩の前方にあります。視交叉より後ろです。
ポイント
  • 脳底面を前から後ろへ:嗅索 → 視交叉 → 灰白隆起・漏斗 → 乳頭体 → 脚間窩・大脳脚 → 橋 → 延髄。
  • 視交叉では両眼の鼻側網膜からの線維が交叉する。ここが圧迫されると両耳側半盲。
  • 乳頭体は脳弓の終着点で、Papez回路の一部として記憶に関与する。
  • 松果体は視床上部に属しメラトニンを分泌。成人では石灰化し、画像で正中の指標になる。
  • 四丘体は中脳背側。上丘は視覚性反射、下丘は聴覚路の中継を担う。
比較表
構造所属部位前後の位置主な働き
視交叉間脳(視床下部の腹側前端)最も前方視神経線維の半交叉
乳頭体間脳(視床下部の後部・腹側)視交叉の後方脳弓の終着、記憶回路
松果体間脳(視床上部・背側)後方メラトニン分泌、日内リズム
四丘体中脳(背側=中脳蓋)最も後方上丘=視覚反射、下丘=聴覚中継
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