学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ32A071

理由で解く 柔道整復師

QJ32A071 解剖学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問71
問題
海馬があるのはどれか。
選択肢
1 前頭葉
2 頭頂葉
3 側頭葉
4 後頭葉
解答
正解3(側頭葉)
解説

海馬は側頭葉の内側面にあり、側脳室下角の壁をつくる部分です。正答は3です。

海馬は大脳辺縁系に属し、歯状回・海馬台とともに海馬体を構成します。その役割は、新しい出来事の記憶(エピソード記憶)を一時的に保持して大脳皮質へ定着させることで、いわば記憶の入口にあたります。出力線維は海馬采から脳弓を経て乳頭体に達し、視床前核・帯状回を巡ってふたたび海馬へ戻るパペッツ回路をつくります。この経路が両側で障害されると、昔のことは覚えているのに新しいことを覚えられない前向性健忘となります。アルツハイマー型認知症で最初に萎縮が目立つのも海馬であり、単純ヘルペス脳炎が側頭葉内側を好んで侵すのも同じ場所です。「記憶の障害=側頭葉内側」と結びつけて覚えてください。

✓ 3. 正しい
側頭葉
海馬は側頭葉の内側面にあり、側脳室下角の内壁を隆起させています。同じ側頭葉内側には情動に関わる扁桃体も隣接します。
✗ 1. 誤り
前頭葉
中心前回の一次運動野、運動性言語中枢(ブローカ野)、判断や意欲を担う前頭連合野が置かれる領域で、海馬はありません。
✗ 2. 誤り
頭頂葉
中心後回の一次体性感覚野と頭頂連合野があり、感覚の統合や空間認知に関わります。海馬の所在ではありません。
✗ 4. 誤り
後頭葉
鳥距溝周辺に一次視覚野が広がる領域です。視覚情報の処理を担い、海馬とは別の場所です。
ポイント
  • 海馬は側頭葉内側、側脳室下角の壁をつくる。大脳辺縁系の一部。
  • 役割はエピソード記憶の固定。両側障害で新しいことを覚えられない前向性健忘
  • 出力は海馬采→脳弓→乳頭体→視床前核→帯状回→海馬のパペッツ回路
  • アルツハイマー型認知症では海馬の萎縮が早期から目立つ。
  • 脳葉と機能の対応:前頭=運動・ブローカ野、頭頂=体性感覚、後頭=視覚、側頭=聴覚・ウェルニッケ野・記憶。
比較表
脳葉おもな機能領域
前頭葉一次運動野(中心前回)、運動性言語中枢(ブローカ野)、前頭連合野
頭頂葉一次体性感覚野(中心後回)、頭頂連合野(空間認知)
側頭葉聴覚野、感覚性言語中枢(ウェルニッケ野)、海馬・扁桃体(内側面)
後頭葉一次視覚野(鳥距溝周辺)
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