学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ31A076

理由で解く 柔道整復師

QJ31A076 解剖学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問76
問題
耳下腺を支配しているのはどれか。
選択肢
1 動眼神経
2 顔面神経
3 舌咽神経
4 迷走神経
解答
正解3(舌咽神経)
解説

耳下腺の分泌を支配するのは、舌咽神経に含まれる副交感神経線維である。

延髄の下唾液核から出た節前線維は、舌咽神経の枝である鼓室神経となって中耳へ入り、鼓室神経叢をつくったのち小錐体神経として頭蓋底へ抜け、卵円孔の下方にある耳神経節に達する。ここで節後線維に乗り換え、三叉神経下顎神経の枝である耳介側頭神経に相乗りして耳下腺へ届く。「線維の出どころは舌咽神経、最後の道案内は三叉神経」という二段構えが耳下腺の特徴で、顎下腺・舌下腺(顔面神経→鼓索神経→顎下神経節)と対にして覚えると定着しやすい。なお耳下腺の実質の中を顔面神経が扇状に分かれて貫くが(耳下腺神経叢)、これは表情筋へ向かう通り道であって腺の分泌を支配しているわけではない点が引っかけになる。

✓ 3. 正しい
舌咽神経
下唾液核→鼓室神経→鼓室神経叢→小錐体神経→耳神経節→耳介側頭神経→耳下腺、という経路で分泌を促す。舌咽神経はほかに舌後1/3の味覚と知覚、咽頭の知覚、茎突咽頭筋の運動、頸動脈洞・頸動脈小体からの情報伝達も担う。
✗ 1. 誤り
動眼神経
副交感線維は中脳の動眼神経副核(エディンガー・ウェストファル核)から出て毛様体神経節で乗り換え、瞳孔括約筋と毛様体筋を支配する。対光反射と近見反応に働く神経で、腺の分泌には関与しない。
✗ 2. 誤り
顔面神経
上唾液核から出た線維が、鼓索神経→顎下神経節を経て顎下腺・舌下腺を、大錐体神経→翼口蓋神経節を経て涙腺と鼻腺を支配する。耳下腺の中を運動枝が貫いて表情筋へ向かうため紛らわしいが、耳下腺の分泌そのものは担当しない。
✗ 4. 誤り
迷走神経
迷走神経背側核から出た副交感線維は、胸腹部の内臓(心臓・気管支・消化管は横行結腸の左1/3手前まで)に広く分布する。頭頸部の腺の分泌は担当していない。
ポイント
  • 耳下腺の分泌=舌咽神経。経路は下唾液核→鼓室神経→小錐体神経→耳神経節→耳介側頭神経。
  • 顎下腺・舌下腺=顔面神経(上唾液核→鼓索神経→顎下神経節)。涙腺も顔面神経(大錐体神経→翼口蓋神経節)。
  • 頭部の副交感神経節は4つ:毛様体(動眼)・翼口蓋(顔面)・顎下(顔面)・耳(舌咽)。
  • 耳下腺の中を顔面神経が貫くが、これは表情筋への通り道であり分泌支配ではない。
  • 耳下腺は純漿液腺。耳下腺管(ステノン管)は咬筋の表面を前進し、上顎第2大臼歯に向かい合う頬粘膜に開口する。
比較表
脳神経起始核神経節支配する標的
動眼神経動眼神経副核毛様体神経節瞳孔括約筋・毛様体筋
顔面神経上唾液核翼口蓋神経節涙腺・鼻腺・口蓋腺
顔面神経上唾液核顎下神経節顎下腺・舌下腺
舌咽神経下唾液核耳神経節耳下腺
迷走神経迷走神経背側核臓器近傍の壁内神経節胸腹部内臓
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。