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理由で解く 柔道整復師

QJ32A067 解剖学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問67
問題
腎臓の髄質にあるのはどれか。
選択肢
1 遠位曲尿細管
2 近位曲尿細管
3 ヘンレのワナ
4 ボーマン囊
解答
正解3(ヘンレのワナ)
解説

ヘンレのワナ(ヘンレ係蹄)は皮質から髄質へ下行し、ヘアピン状に折り返して皮質へ戻る部分で、その本体は髄質にあります。腎小体と2つの曲尿細管はいずれも皮質に位置します。

ネフロン(腎単位)は腎小体(糸球体+ボーマン嚢)と尿細管からなり、皮質にある腎小体でろ過された原尿が、近位曲尿細管 → 近位直尿細管 → ヘンレのワナ(下行脚・上行脚)→ 遠位直尿細管 → 遠位曲尿細管 → 集合管の順に流れます。名前に「曲」がつくものは皮質でくねくねと走り、「直」がつくものは髄質へまっすぐ向かう、と対応づけると位置を取り違えません。髄質ではヘンレのワナと集合管、および直細動脈・直細静脈(あわせて直血管、vasa recta)が平行に並び、この配置が対向流増幅系による尿の濃縮を可能にしています。集合管は最終的に乳頭管となって腎乳頭の先端で腎杯に開き、尿を腎盂へ送ります。

✓ 3. 髄質にある(これが答え)
ヘンレのワナ
近位直尿細管に続いて髄質へ下行し、U字に折り返して皮質へ戻る部分です。選択肢のなかで髄質を走るのはこれだけになります。下行脚は水を透過しやすく、上行脚は水を通さずNa⁺やCl⁻を汲み出すという性質の違いによって髄質に浸透圧勾配がつくられ、尿の濃縮が成り立ちます。傍髄質ネフロンではこのワナが特に長く、髄質の深部まで達します。
✗ 1. 皮質にある(答えではない)
遠位曲尿細管
ヘンレのワナから皮質へ戻ったあとに曲走する部分で、自分のもとの腎小体の血管極に接して緻密斑(マクラデンサ)をつくります。ここは傍糸球体装置の一部としてレニン分泌の調節に関わります。
✗ 2. 皮質にある(答えではない)
近位曲尿細管
ボーマン嚢に続いて皮質を蛇行する部分で、尿細管のなかで最も再吸収が盛んな区間です。グルコースやアミノ酸はここでほぼ全量が再吸収されます。
✗ 4. 皮質にある(答えではない)
ボーマン囊
糸球体を包む二重の袋で、あわせて腎小体(マルピギー小体)をつくります。腎小体は皮質にのみ存在し、髄質には認められません。
ポイント
  • 皮質にあるもの:腎小体(糸球体+ボーマン嚢)、近位曲尿細管、遠位曲尿細管。
  • 髄質にあるもの:ヘンレのワナ、集合管、直血管(直細動脈・直細静脈、vasa recta)。腎錐体をつくる。
  • 覚え方:「曲」がつく尿細管は皮質、「直」+ワナは髄質へ向かう。
  • 尿の流れ:腎小体→近位曲→近位直→ヘンレのワナ→遠位直→遠位曲→集合管→乳頭管→腎杯→腎盂→尿管。
  • ヘンレのワナと集合管が並走することで対向流増幅系がはたらき、尿が濃縮される。
比較表
構造存在部位主なはたらき
ボーマン嚢(腎小体)皮質糸球体でのろ過、原尿の受け皿
近位曲尿細管皮質グルコース・アミノ酸・Na⁺・水の大量再吸収
ヘンレのワナ髄質下行脚で水の再吸収、上行脚でNa⁺・Cl⁻再吸収 → 髄質の浸透圧勾配形成
遠位曲尿細管皮質アルドステロンによるNa⁺再吸収調節、緻密斑を形成
集合管皮質〜髄質バソプレシンによる水の再吸収、尿の最終濃縮
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