学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §4 消化器系 / QJ32A063

理由で解く 柔道整復師

QJ32A063 解剖学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問63
問題
十二指腸で正しいのはどれか。
選択肢
1 胆囊管が開口する。
2 腹膜後器官である。
3 腸間膜がある。
4 腹膜垂がある。
解答
正解2(腹膜後器官である。)
解説

十二指腸は、胃に続く上部のごく一部を除いて後腹壁に固定された腹膜後器官(後腹膜器官)です。腸間膜をもたず、体位を変えても位置がほとんど動きません。

腹部の消化管は、腸間膜をもって腹腔内にぶら下がる腹膜内器官(空腸・回腸・横行結腸・S状結腸など)と、後腹壁に貼り付いた腹膜後器官(十二指腸の大部分・上行結腸・下行結腸・膵臓・腎臓など)に分けられます。十二指腸は発生の過程でいったん腸間膜をもちますが、その後に後腹壁と癒着して腸間膜を失うため「二次性腹膜後器官」と呼ばれます。C字状に膵頭部を抱えたまま固定されているので、下行部の後内側壁には大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)があり、そこへ総胆管と主膵管が合流して開口します。長さは約25〜30cm(指の幅12本分が名前の由来)で、上部・下行部・水平部・上行部の4部に区分され、十二指腸空腸曲でトライツ靱帯に支えられて空腸へ移行します。

✓ 2. 正しい
腹膜後器官である。
胃幽門に続く上部(球部)のみが腹膜に包まれて可動性をもち、下行部から上行部までは後腹壁に癒着した腹膜後器官です。膵臓・腎臓・副腎・尿管・腹部大動脈・下大静脈といった後腹膜の仲間とセットで覚えておくと、この種の問題を一括して処理できます。
✗ 1. 誤り
胆囊管が開口する。
胆嚢管は胆嚢から出たあと総肝管と合流して総胆管となり、十二指腸へ直接は開口しません。十二指腸下行部の大十二指腸乳頭に開くのは、総胆管と主膵管が合したところ(肝膵膨大部)です。開口するものを問われたら「総胆管+主膵管」と答えられるようにしておきましょう。
✗ 3. 誤り
腸間膜がある。
腸間膜(狭義)をもつのは空腸と回腸です。十二指腸は後腹壁に癒着して腸間膜を失っているため、腸間膜による可動性がありません。小腸のうち十二指腸だけが固定されている、と区別して覚えます。
✗ 4. 誤り
腹膜垂がある。
腹膜垂(結腸垂)は結腸ヒモ・結腸膨起とともに結腸の三大特徴で、大腸に特有の構造です。十二指腸は小腸なのでこれらをもちません。逆に、輪状ヒダや腸絨毛が発達しているのが小腸側の特徴です。
ポイント
  • 十二指腸は上部の一部を除き腹膜後器官(二次性後腹膜器官)。腸間膜をもたず固定されている。
  • 下行部の大十二指腸乳頭に開口するのは総胆管と主膵管。胆嚢管は総肝管と合流して総胆管になる。
  • 腸間膜をもつのは空腸・回腸、横行結腸・S状結腸(それぞれ間膜あり)。
  • 結腸の三大特徴=結腸ヒモ・結腸膨起・腹膜垂。小腸にはない。
  • 後腹膜器官の代表:十二指腸大部分・上行結腸・下行結腸・膵臓・腎臓・副腎・尿管・腹部大動脈・下大静脈。
比較表
部位腹膜との関係腸間膜特徴的な構造
十二指腸上部の一部を除き腹膜後器官なし大十二指腸乳頭(総胆管+主膵管が開口)、輪状ヒダ
空腸・回腸腹膜内器官あり(腸間膜)輪状ヒダ・腸絨毛、回腸に集合リンパ小節(パイエル板)
上行結腸・下行結腸腹膜後器官なし結腸ヒモ・結腸膨起・腹膜垂
横行結腸・S状結腸腹膜内器官あり(横行結腸間膜・S状結腸間膜)結腸ヒモ・結腸膨起・腹膜垂
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