学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §4 消化器系 / QJ32A062

理由で解く 柔道整復師

QJ32A062 解剖学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問62
問題
平滑筋と横紋筋の両方からなるのはどれか。
選択肢
1 食道
2
3 回腸
4 結腸
解答
正解1(食道)
解説

消化管の筋層は原則として平滑筋ですが、食道だけは上部が横紋筋、下部が平滑筋で、両方を持ちます。

消化管の運動は基本的に自律神経が支配する平滑筋(不随意)で行われます。例外は食道の上部で、ここは咽頭の骨格筋から連続した横紋筋でできています。理由は「速く強い蠕動を起こして、食塊を一気に下へ送り出すため」。食道はおおよそ上部1/3が横紋筋、中部1/3が横紋筋と平滑筋の混在、下部1/3が平滑筋という三段構えで、上から下へ滑らかに切り替わります。ここで注意したいのは、横紋筋=随意とは限らないことです。嚥下で随意に行えるのは口腔期(舌や口腔底の骨格筋で食塊を咽頭へ送るところ)までで、いったん嚥下反射が起これば咽頭期・食道期は横紋筋の部分も含めて不随意に進みます(延髄の嚥下中枢が制御し、疑核から迷走神経を介して指令が出ます)。消化管で本当に随意に動かせる横紋筋は、反対側の端にある外肛門括約筋(陰部神経支配)で、内肛門括約筋の平滑筋と組んで排便の随意的な制御を担います。胃・小腸・大腸は全長にわたって平滑筋のみです。

✓ 1. 正しい
食道
上部1/3が横紋筋、中部で混在し、下部1/3が平滑筋になります。上部が横紋筋なのは咽頭の骨格筋から連続して強い蠕動を起こすためで、嚥下反射が始まった後は随意には制御できません。
✗ 2. 誤り
筋層は平滑筋のみです。ただし他の消化管と違って斜走筋・輪走筋・縦走筋の3層をもち、内容物を練り混ぜる働きに適しています。
✗ 3. 誤り
回腸
内輪・外縦の2層からなる平滑筋のみで、蠕動と分節運動を行います。
✗ 4. 誤り
結腸
平滑筋のみです。縦走筋が3本の結腸ヒモに集まり、その短縮で結腸膨起(ハウストラ)ができるのが特徴です。
ポイント
  • 消化管の筋層は原則すべて平滑筋(不随意)
  • 例外は両端=食道上部の横紋筋と、外肛門括約筋の横紋筋
  • 食道は上部1/3横紋筋・中部混在・下部1/3平滑筋
  • 横紋筋でも嚥下の咽頭期・食道期は不随意(延髄の嚥下中枢)。随意なのは口腔期だけ
  • 随意に動かせる消化管の横紋筋は外肛門括約筋(陰部神経支配)
比較表
部位筋の種類随意性
食道 上部1/3横紋筋不随意(嚥下反射により収縮)
食道 中部1/3横紋筋+平滑筋不随意(移行部)
食道 下部1/3平滑筋不随意
胃・小腸・大腸平滑筋不随意
外肛門括約筋横紋筋随意
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