学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ32A056

理由で解く 柔道整復師

QJ32A056 解剖学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問56
問題
横隔膜にある孔と通過する器官の組合せで正しいのはどれか。'
選択肢
1 大動脈裂孔-胸管
2 食道裂孔一・奇静脈
3 食道裂孔-交感神経幹
4 大静脈孔-迷走神経
解答
正解1(大動脈裂孔-胸管)
解説

大動脈裂孔を通るのは下行大動脈と胸管です。横隔膜の3孔は「高さ・通過物」をセットで覚えます。

上から順に、大静脈孔(第8胸椎の高さ)=下大静脈+右横隔神経、食道裂孔(第10胸椎)=食道+迷走神経(前・後迷走神経幹)、大動脈裂孔(第12胸椎)=下行大動脈+胸管。高さが「8・10・12」と偶数で並ぶので、名前と一緒に唱えると定着します。ここで押さえたい機序が1つ。大動脈裂孔だけは左右の横隔膜脚と正中弓状靱帯が作る腱性のトンネルで、筋線維が周りを取り巻いていません。だから横隔膜が収縮しても内腔が締まらず、太い動脈と壁の薄い胸管が安全に通れます。逆に食道裂孔は筋性で、右脚の筋線維が食道を締めて逆流を防ぐ弁の役目をします(この締めが緩むと食道裂孔ヘルニアや逆流が起きます)。

✓ 1. 正しい
大動脈裂孔-胸管
大動脈裂孔は腱性のトンネルで、下行大動脈とともに胸管が通ります。奇静脈・半奇静脈もここか横隔膜脚を貫いて胸腔へ入ります。
✗ 2. 誤り
食道裂孔一・奇静脈
奇静脈が通るのは大動脈裂孔(または横隔膜脚)です。食道裂孔を通るのは食道と迷走神経なので、組合せが入れ替わっています。
✗ 3. 誤り
食道裂孔-交感神経幹
交感神経幹は内側弓状靱帯の後方を通って腹部へ下ります。横隔膜脚を貫くのは大内臓神経・小内臓神経で、いずれも食道裂孔ではありません。
✗ 4. 誤り
大静脈孔-迷走神経
迷走神経は食道の壁に沿って前・後迷走神経幹となり、食道裂孔を通ります。大静脈孔を通るのは下大静脈と右横隔神経です。
ポイント
  • 大静脈孔(Th8)=下大静脈+右横隔神経
  • 食道裂孔(Th10)=食道+迷走神経(前・後迷走神経幹)
  • 大動脈裂孔(Th12)=下行大動脈+胸管(+奇静脈・半奇静脈)
  • 高さは 8・10・12 と偶数で並ぶ
  • 大動脈裂孔は腱性なので収縮しても締まらず、太い管が安全に通れる
比較表
高さ通過するもの構造
大静脈孔第8胸椎下大静脈、右横隔神経腱中心の中(開いたまま)
食道裂孔第10胸椎食道、迷走神経(前・後幹)筋性(締まって逆流を防ぐ)
大動脈裂孔第12胸椎下行大動脈、胸管、奇静脈・半奇静脈腱性トンネル(締まらない)
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