学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §4 柔道整復師法 / QJ32A046

理由で解く 柔道整復師

QJ32A046 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問46
問題
都道府県知事が施術所に命じることができないのはどれか。
選択肢
1 一定期間の使用禁止
2 当該構造設備の改善
3 当該衛生上の措置
4 施術管理者の交代
解答
正解4(施術管理者の交代)
解説

都道府県知事が施術所に対して命じられるのは、構造設備の改善、衛生上の措置、そして使用の制限・禁止の3つです。人事にあたる「施術管理者の交代」を命じる規定は置かれていません。

柔道整復師法第20条は、施術所の構造設備は厚生労働省令で定める基準に適合したものでなければならないこと、開設者は厚生労働省令で定める衛生上必要な措置を講じなければならないことを定めています(具体的な内容は同法施行規則第18条・第19条)。つまり基準をつくるのは国であって、都道府県知事ではありません。知事の役割は、その基準に適合しないと認めるときに、開設者に対して期間を定めて構造設備を改善すべき旨または衛生上の措置を講ずべき旨を命じ、あるいは期間を定めて施術所の全部または一部の使用を制限し、もしくは禁止することです(法第22条)。ポイントは、これらの命令が向いている先が「施設」の安全と衛生だという点です。人に対しても、衛生上害を生ずるおそれがあると認めるときは柔道整復師に業務に関して必要な指示ができますが(法第18条)、誰を施術管理者に据えるかという人事にまで踏み込む規定は置かれていません。なお受領委任の取扱いを中止する措置は協定・契約に基づく別の枠組みで、施術管理者の交代そのものを命じる仕組みではありません。

✓ 4. 命じることができない(これが答え)
施術管理者の交代
柔道整復師法には、知事が施術管理者の交代を命じられるとする規定がありません。知事の権限を条文ごとに整理すると、施術所(場所)に対しては法第22条の改善命令・衛生措置命令・使用の制限/禁止、柔道整復師(人)に対しては法第18条の業務に関する必要な指示までで、人事の指定や交代を命じるところまでは及びません。人的な体制に問題がある場合は、報告徴収や立入検査で指摘された事項について、開設者と施術管理者が自主的に体制を見直し、改善内容を報告するかたちで対応します。
✗ 1. 命じることができる(答えではない)
一定期間の使用禁止
期間を定めて施術所の全部または一部の使用を制限し、または禁止することができます(法第22条)。改善命令だけでは患者の安全が守れない場合の、より強い措置です。
✗ 2. 命じることができる(答えではない)
当該構造設備の改善
施術室の面積や換気・採光、待合室の確保などは厚生労働省令で定める構造設備基準(6.6平方メートル以上の専用の施術室、3.3平方メートル以上の待合室、施術室面積の7分の1以上の外気に開放しうる部分またはこれに代わる換気装置、消毒設備など)で決まっており、これに適合しないと認めるときに、知事が期間を定めて改善を命じられます。
✗ 3. 命じることができる(答えではない)
当該衛生上の措置
施術に用いる器具・手指等の消毒、清潔の保持、採光・照明・換気の確保といった衛生上必要な措置も厚生労働省令で定められており、これが講じられていないときは、期間を定めて措置を講ずべき旨を命じられます。
ポイント
  • 施術所の構造設備の基準・衛生上必要な措置を定めるのは厚生労働省令(法第20条、施行規則第18条・第19条)。知事は基準をつくる側ではない。
  • 知事の命令権(法第22条)は構造設備の改善/衛生上の措置/使用の制限・禁止の3本立て。いずれも「期間を定めて」行う。
  • 命令の名あて人は開設者。施術管理者個人ではない。
  • 人(柔道整復師)に対しては法第18条の業務上の必要な指示までで、施術管理者の交代という人事を命じる規定はない。
  • 知事は施術所に対する報告の徴収・立入検査も行える。受領委任の中止は協定・契約に基づく別枠の措置。
比較表
都道府県知事ができることできないこと
構造設備の改善命令(期間を定めて/法第22条)施術管理者の交代を命じること(法に規定なし)
構造設備・衛生措置の基準そのものを定めること(基準は厚生労働省令)
衛生上の措置を講ずべき旨の命令(期間を定めて/法第22条)
施術所の全部・一部の使用の制限・禁止(期間を定めて/法第22条)
柔道整復師に対する業務上の必要な指示(法第18条)
報告の徴収・立入検査(法第21条)
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