学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §4 柔道整復師法 / QJ32A045

理由で解く 柔道整復師

QJ32A045 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問45
問題
柔道整復師の業務で正しいのはどれか。
選択肢
1 超音波検査で診断をした。
2 捻挫の部位に氷嚢をあてた。
3 うっ血した部位のしゃ血をした。
4 患者の求めによって爪を剥がした。
解答
正解2(捻挫の部位に氷嚢をあてた。)
解説

柔道整復師の業務は、骨折・脱臼・打撲・捻挫に対する非観血的な施術です。冷却などの応急処置は業務の範囲内ですが、診断や侵襲を伴う処置は医行為であり、柔道整復師は行いません。

柔道整復師法は、柔道整復師が外科手術を行うことや薬品を投与・指示することを禁じ、骨折・脱臼については応急手当の場合を除き医師の同意を得なければならないと定めています。ここから業務の輪郭が見えてきます。すなわち、(1)病名を確定する「診断」は医師の独占業務、(2)皮膚や組織を傷つける処置(切開、抜爪、瀉血など)は医行為、(3)これに対して、安静・冷却・圧迫・挙上といった急性期の応急処置や、その後の後療法(手技療法・運動療法・物理療法)は柔道整復師が担う領域、という区分です。判断に迷う所見があるときは、無理に自分の枠内で処理せず医療機関に紹介するのが原則の行動です。

✓ 2. 正しい
捻挫の部位に氷嚢をあてた。
急性期の冷却は、局所の代謝と血流を抑えて炎症反応・腫脹・疼痛を軽減する応急処置で、柔道整復師の業務範囲に含まれます。実施の際は氷を直接皮膚にあてず布などを介し、時間を区切って皮膚の色や感覚を確認しながら行い、凍傷や神経障害を避けます。
✗ 1. 誤り
超音波検査で診断をした。
病態を判断して病名を確定する「診断」は医師の業務です。柔道整復師が画像所見から診断を下すことはできません。骨折や重篤な軟部組織損傷が疑われる所見があれば、医療機関へ紹介して医師の診断を仰ぎ、その結果に基づいて施術の可否を判断します。
✗ 3. 誤り
うっ血した部位のしゃ血をした。
瀉血は血管や皮膚を傷つけて血液を体外に出す侵襲的な処置で、医行為に当たります。うっ血や腫脹に対しては、冷却・圧迫・患部の挙上といった非侵襲的な方法で対応し、循環障害が疑われるときは速やかに医師へつなぎます。
✗ 4. 誤り
患者の求めによって爪を剥がした。
抜爪は外科的処置であり医行為です。患者から強く求められても行わず、爪下血腫や爪の損傷は医療機関を紹介します。施術所でできるのは、患部を保護し、圧迫や外力が加わらないよう固定・指導することまでです。
ポイント
  • 柔道整復師の業務=骨折・脱臼・打撲・捻挫に対する非観血的な施術(整復・固定・後療法)。
  • 骨折・脱臼は応急手当を除き医師の同意が必要。外科手術・薬品の投与や指示は禁止。
  • 急性期の冷却(アイシング)は応急処置として業務範囲内。凍傷予防に布を介し時間を区切る。
  • 診断(病名の確定)は医師の独占業務。画像や検査所見から病名を判断しない。
  • 瀉血・抜爪など皮膚や組織を傷つける処置は医行為。疑わしい所見は医療機関へ紹介する。
比較表
柔道整復師が行えること医師でなければ行えないこと
患部の冷却・圧迫・挙上・安静指導診断(病名の確定)
脱臼・骨折の整復(骨折・脱臼は応急手当を除き医師の同意が必要)外科手術(切開・抜爪など)
固定(包帯・副子等)瀉血、注射
後療法(手技療法・運動療法・物理療法)薬品の投与、その指示
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