学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §35 包帯法 / QJ32A036

理由で解く 柔道整復師

QJ32A036 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問36
問題
基本包帯法で正しいのはどれか。
選択肢
1 蛇行帯は下巻きに用いる。
2 麦穂帯は副子の一次固定に用いる。
3 折転帯は包帯の巻き終わりに用いる。
4 亀甲帯は関節の動きを完全に制限したい場合に用いる。
解答
正解1(蛇行帯は下巻きに用いる。)
解説

正解は1です。蛇行帯は包帯の幅だけ間隔をあけて斜めに巻き上げる巻き方で、下巻きの押さえや副子・ガーゼの一次固定(仮止め)に用います。

基本包帯法は「巻いた形」だけで覚えるより、「どの部位に、何の目的で使うか」まで含めて整理すると迷いません。巻き始めと巻き終わりは必ず環行帯で止め、太さがほぼ一様な部位は螺旋帯、前腕や下腿のように末梢から中枢へ急に太くなる部位は折転帯で包帯の浮きを防ぎます。8字を描いて交差する巻き方は麦穂帯と亀甲帯の2つで、両者は交点がずれるかどうかで見分けます。肩・股関節・母指・足部のように向きの違う二つの部位をまたぐところは、交点が一巻きごとに少しずつずれて麦の穂状になる麦穂帯、肘・膝・踵のように屈伸する関節は、屈側で交点がほぼ同じ位置に重なってずれない亀甲帯を選びます。蛇行帯だけは性格が違い、これらの本巻きに入る前段階、つまり下巻き材を押さえたり副子を一時的に留めたりする役割を担います。したがって「蛇行帯=下巻き・仮固定」「他の巻き方=本巻き」という対比で押さえるとよいでしょう。どの巻き方であっても、巻いた後は末梢の色調・温度・感覚・腫脹を確認し、しびれや冷感など締めすぎの徴候があればすぐ巻き直します。

✓ 1. 正しい
蛇行帯は下巻きに用いる。
蛇行帯は包帯の幅の分だけ間隔をあけながららせん状に巻き上げるため、被覆面積が小さく短時間で巻けます。締め付けや創面の被覆を目的とした本巻きではなく、綿花などの下巻き材がずれないよう押さえる用途や、副子・ガーゼを一時的に留める用途に適します。この上から螺旋帯・折転帯などの本巻きを重ねていく、という順番で覚えましょう。
✗ 2. 誤り
麦穂帯は副子の一次固定に用いる。
副子の一次固定(仮固定)に用いるのは蛇行帯です。麦穂帯は8字を描いて交差させる巻き方で、その交点が一巻きごとに少しずつずれて麦の穂の形に見えることからこの名があります。肩関節・股関節・母指・足部など、角度の異なる二つの部位をまたいで固定したいときに選びます。末梢から中枢へ巻き上げるものを上行麦穂帯、中枢から末梢へ巻き下げるものを下行麦穂帯といい、部位と目的に応じて使い分けます。なお8字を描くのは麦穂帯だけではなく、亀甲帯も8字に交差します(選択肢4を参照)。部位を問う肢と目的を問う肢が入れ替えて出されやすいので、「麦穂帯=関節をまたぐ本巻きで交点がずれる」と結び付けておきましょう。
✗ 3. 誤り
折転帯は包帯の巻き終わりに用いる。
巻き始めと巻き終わりに用いるのは環行帯で、同じ位置に2〜3回重ねて巻き、起点と終点を安定させます。折転帯は前腕や下腿のように末梢から中枢へ太さが急に変わる部位で、包帯を母指で押さえて折り返しながら巻き進め、包帯の浮き上がりやしわを防ぐ巻き方です。実技では「環行帯で始め、折転帯で体表に沿わせ、環行帯で終える」という一連の流れとして、手を動かして覚えるとよいでしょう。
✗ 4. 誤り
亀甲帯は関節の動きを完全に制限したい場合に用いる。
亀甲帯は肘・膝・踵など屈伸する関節に用い、関節の屈側で交差させて8字を描く巻き方です。麦穂帯と違って交点がほぼ同じ位置に重なり、亀の甲羅のような模様になるため、ある程度の可動性を残しながら包帯のずれを防げます。関節中央から上下へ広げていく離開亀甲帯と、末梢・中枢の両側から中央へ集めていく集合亀甲帯を、目的に応じて使い分けます。動きを完全に止める必要がある場合は、副子(シーネ)やギプスなどの固定材を用い、包帯はそれを保持・圧迫する役割で併用する、と役割分担で理解しましょう。固定した後は末梢の色調・温度・感覚を必ず確認し、締めすぎの徴候があればすぐ巻き直します。
ポイント
  • 蛇行帯=間隔をあけて巻く仮の巻き方。下巻きの押さえ、副子・ガーゼの一次固定に用い、この上に本巻きを重ねる。
  • 環行帯=巻き始めと巻き終わり。同じ位置に2〜3回重ねて起点・終点を固める。
  • 折転帯=前腕・下腿など太さが急変する部位。折り返して体表に密着させ、浮きとしわを防ぐ。
  • 8字に交差する巻き方は麦穂帯と亀甲帯の2つ。見分けの鍵は交点がずれるかどうか。
  • 麦穂帯=8字の交点が順次ずれる(麦の穂状)。肩・股関節・母指・足部など角度の異なる二部位をまたぐ。巻き上げる上行麦穂帯と巻き下げる下行麦穂帯がある。
  • 亀甲帯=8字の交点がずれない(屈側で交差、亀の甲羅状)。肘・膝・踵など屈伸関節に用い、離開亀甲帯と集合亀甲帯がある。完全固定が必要なら副子やギプスを併用する。
  • 巻いた後は末梢の色調・温度・感覚・腫脹を確認し、しびれや冷感があればすぐ巻き直す。
比較表
巻き方主な適用部位主な目的・使いどころ
環行帯部位を問わず同一部位巻き始めと巻き終わりの固定
蛇行帯四肢全般(本巻きの前段階)下巻きの押さえ、副子・ガーゼの一次固定
螺旋帯上腕・大腿など太さの変化が少ない部位一定幅で重ねて被覆・圧迫する本巻き
折転帯前腕・下腿など太さが急に変わる部位折り返して密着させ、浮き・しわを防ぐ
麦穂帯肩関節・股関節・母指・足部8字に交差(交点が順次ずれる=麦の穂状)。角度の異なる二部位をまたぐ固定。上行・下行がある
亀甲帯肘・膝・踵など屈伸する関節8字に交差(交点はずれない=亀の甲羅状)。可動性を残しつつずれを防ぐ(集合/離開を使い分け)
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