学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §23 肩腱板損傷の診察 / QJ32A024

理由で解く 柔道整復師

QJ32A024 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問24
問題
肩のインピンジメントの所見でないのはどれか。
選択肢
1 雑音聴取
2 肩峰下疼痛出現
3 外転位保持不能
4 結節間溝部疼痛出現
解答
正解4(結節間溝部疼痛出現)
解説

肩峰下インピンジメントの痛みは肩峰下に出ます。結節間溝部の痛みは上腕二頭筋長頭腱の障害を示す所見であり、インピンジメントの所見にはあたりません。

肩峰下インピンジメントは、肩の挙上に伴って腱板や肩峰下滑液包が肩峰・烏口肩峰靱帯の下に挟み込まれて起こります。挟まる場所が肩峰の下ですから、圧痛や運動時痛は肩峰の前下方に出ます。挟み込みの瞬間には腱や滑液包がこすれて軋轢音・クリック音を聴取でき、痛みと腱板の機能低下が進めば外転位を保てなくなります。一方、結節間溝は肩関節の前面にある溝で、ここを上腕二頭筋長頭腱が走ります。この部位の圧痛は長頭腱の炎症や腱の亜脱臼を示唆するもので、挟み込みの現場である肩峰下とは場所が違います。つまり本問は「どこが痛むか」で病態を切り分ける力を問うています。挙上時痛を訴える患者では、痛みが出る角度と圧痛点を必ず特定して記録し、それに応じて鑑別と指導を組み立てます。

✓ 4. 所見でない(これが答え)
結節間溝部疼痛出現
結節間溝は肩関節前面で上腕二頭筋長頭腱が走る溝であり、挟み込みが起こる肩峰下とは部位が異なります。ここの疼痛は長頭腱炎や腱の亜脱臼を示唆する所見ですから、インピンジメントの所見としては当てはまりません。これが設問の答えです。
✗ 1. 所見である(答えではない)
雑音聴取
挙上の途中で腱板や肩峰下滑液包が肩峰の下をこすりながら通るため、軋轢音やクリック音を聴取できます。インピンジメントでみられる所見です。
✗ 2. 所見である(答えではない)
肩峰下疼痛出現
挟み込みが起こる場所そのものが肩峰の下であり、圧痛・運動時痛は肩峰の前下方に出ます。インピンジメントの中心的な所見です。
✗ 3. 所見である(答えではない)
外転位保持不能
疼痛と腱板の機能低下により、挙げた腕をその位置に保てず落ちてしまうことがあります。インピンジメントに伴う腱板障害でみられる所見です。
ポイント
  • 肩峰下インピンジメント=腱板・肩峰下滑液包が肩峰と烏口肩峰靱帯の下に挟み込まれる病態。
  • 痛む場所は肩峰の前下方。挟み込みの現場と一致する。
  • 軋轢音・クリック音の聴取、外転位保持不能も、腱板障害に伴ってみられる所見。
  • 結節間溝部の圧痛は上腕二頭筋長頭腱の障害を示す。部位が肩関節前面で、肩峰下とは異なる。
  • 挙上時痛では「痛む角度」と「圧痛点」を特定して記録し、鑑別と指導に結び付ける。
比較表
肩峰下インピンジメント上腕二頭筋長頭腱の障害
痛む部位肩峰の前下方(肩峰下)肩関節前面の結節間溝部
誘発される動き挙上・外転の途中で挟み込まれる抵抗下の肩屈曲、前腕回外
代表的な所見・テストペインフルアークサイン、軋轢音、外転位保持不能スピードテスト、結節間溝部の圧痛
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