学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §23 肩腱板損傷の診察 / QJ32A023

理由で解く 柔道整復師

QJ32A023 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問23
問題
肩腱板損傷の際に陽性となるのはどれか。
選択肢
1 スピードテスト
2 ジャークテスト
3 ディンプルサイン
4 ペインフルアークサイン
解答
正解4(ペインフルアークサイン)
解説

腱板損傷で陽性となるのはペインフルアークサイン(有痛弧徴候)です。外転の途中だけに痛みの「弧」が出るのが特徴で、ほかの3つは別の組織を狙ったテスト・所見です。

腱板、とくに棘上筋腱は肩峰と上腕骨大結節の間を通ります。肩を外転していくと、およそ60〜120度の範囲でこの隙間が最も狭くなり、損傷した腱や炎症を起こした肩峰下滑液包が挟み込まれて痛みが出ます。それより低い角度ではまだ挟まらず、通り過ぎた高い角度では大結節が肩峰の下をくぐり抜けてしまうため痛みが軽くなります。結果として外転の途中だけに痛みの帯ができ、これをペインフルアークサインと呼びます。テストを覚えるときは「どの動きで、どこが痛むか」をセットにすると混同しません。結節間溝が痛むなら上腕二頭筋長頭腱、肩峰下が痛むなら腱板・肩峰下滑液包、というように場所で切り分けます。腱板断裂が疑われる場合は無理に挙上させず、安静と固定を指導したうえで医師の診察につなぎます。

✓ 4. 正しい
ペインフルアークサイン
外転の途中(およそ60〜120度)で肩峰と大結節の間隔が最も狭くなり、損傷した腱板が挟み込まれて痛みます。その前後の角度では痛みが軽いため、外転の途中だけに痛みの弧が現れます。腱板損傷・肩峰下インピンジメントを示唆する所見で、これが答えです。
✗ 1. 誤り
スピードテスト
肘伸展・前腕回外位で肩関節の屈曲に抵抗を加え、結節間溝部に痛みが出れば陽性です。狙っている組織は上腕二頭筋長頭腱であり、腱板ではありません。
✗ 2. 誤り
ジャークテスト
肩関節の後方への不安定性をみる検査で、骨頭が後方へずれる感覚や痛み、クリックの有無を評価します。腱板の挟み込みをみるテストではありません。
✗ 3. 誤り
ディンプルサイン
皮膚が深部へ引き込まれてえくぼ状に陥凹する視診・触診の所見であり、肩を動かして腱板の挟み込みによる痛みをみる検査ではありません。腱板損傷の判定には用いません。
ポイント
  • ペインフルアークサイン=外転およそ60〜120度でだけ痛む。肩峰と大結節の間隔が最も狭くなる角度に一致する。
  • スピードテストは結節間溝部の痛み=上腕二頭筋長頭腱の障害。痛む場所で腱板と切り分ける。
  • ジャークテストは肩関節の後方不安定性をみる検査。
  • ディンプルサインは皮膚がえくぼ状に陥凹する所見で、誘発テストではない。
  • テストは「加える動き」と「痛む部位」をセットで暗記すると取り違えにくい。
比較表
名称みている組織・病態陽性のときの所見
ペインフルアークサイン腱板(棘上筋腱)・肩峰下滑液包外転約60〜120度の範囲でだけ痛む
スピードテスト上腕二頭筋長頭腱抵抗下の肩屈曲で結節間溝部が痛む
ジャークテスト肩関節の後方不安定性骨頭の後方へのずれ・痛み・クリック
ディンプルサイン皮膚の陥凹という視診・触診所見えくぼ状の陥凹(誘発テストではない)
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