学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §2 医療過誤とリスクマネジメント / QJ32A003

理由で解く 柔道整復師

QJ32A003 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問3
問題
医療事故調査制度の調査対象はどれか。
選択肢
1 医療契約の履行状況
2 善管注意義務違反の有無
3 医療事故を起こした医師の責任
4 医療に起因する病院等の管理者が予期しなかった死亡または死産
解答
正解4(医療に起因する病院等の管理者が予期しなかった死亡または死産)
解説

医療事故調査制度が扱うのは「医療に起因する(疑いを含む)、管理者が予期しなかった死亡または死産」だけです。誰が悪かったかを決める制度ではありません。

この制度は2015年10月に医療法にもとづいて始まりました。対象となる事案が起きたとき、病院・診療所・助産所の管理者は、まず遺族に説明したうえで医療事故調査・支援センターに報告し、院内で調査を行い、その結果をセンターと遺族に報告します。柱となる考え方は「非懲罰性」と「秘匿性」で、目的はあくまで原因を明らかにして同じことを繰り返さないこと、すなわち再発防止にあります。したがって、契約上どうだったか、注意義務を怠ったか、誰に責任があるかといった判断は、この制度ではなく民事・刑事など司法の領域で扱われます。対象の判定は「医療に起因するか」と「管理者が予期していたか」の2つを両方満たすかで行い、どちらか一方でも欠ければ報告対象にはなりません。

✓ 4. 正しい
医療に起因する病院等の管理者が予期しなかった死亡または死産
制度が定める対象そのままの表現です。「医療に起因する(または起因すると疑われる)」かつ「管理者が予期しなかった」かつ「死亡または死産」という3つの条件がそろったものが調査対象になります。
✗ 1. 誤り
医療契約の履行状況
医療機関と患者の間の契約が守られたかどうかは、民事上の債務不履行の問題として司法で判断される事柄です。本制度の調査対象ではありません。
✗ 2. 誤り
善管注意義務違反の有無
注意義務を怠ったかどうかの判断は過失の認定にあたり、賠償責任を巡る民事の争点です。制度は非懲罰性を原則としており、過失の有無を判定するために調査するのではありません。
✗ 3. 誤り
医療事故を起こした医師の責任
個人の責任追及は制度の目的から明確に外されています。責任を問われないからこそ関係者が率直に話せ、真の原因にたどり着けるという設計です。
ポイント
  • 2015年10月施行。根拠法は医療法
  • 対象は「①医療に起因する(疑いを含む)」+「②管理者が予期しなかった」+「③死亡または死産」の3条件をすべて満たすもの。
  • 流れは 遺族への説明 → 医療事故調査・支援センターへ報告 → 院内調査 → 結果をセンターと遺族に報告。
  • 目的は再発防止。非懲罰性・秘匿性が原則で、責任追及や過失認定は行わない。
  • 死亡・死産に至らない事案は、この制度ではなく院内の医療安全管理(インシデント報告など)で扱う。
比較表
医療事故調査制度民事・刑事などの司法手続
目的原因究明と再発防止責任の所在と賠償・処罰の決定
扱う事案医療に起因する予期しなかった死亡・死産契約不履行、過失、被害全般
個人の責任問わない(非懲罰性)問う
報告先医療事故調査・支援センター裁判所・捜査機関など
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