学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ31P120

理由で解く 柔道整復師

QJ31P120 柔道整復理論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問120
問題
20歳の男性。大学レスリング部に所属している。高校3年生のとき、試合で右膝内側側副靱帯を損傷した。それ以来、練習中に数回、膝のロッキングを経験している。昨日、練習中に右膝を負傷した。動かさなければ痛みはないが、内側関節裂隙に圧痛があり軽度の膝蓋跳動がみられた。陽性となるのはどれか。
選択肢
1 ステインマンテスト
2 エデンテスト
3 ホーマンズ徴候
4 ガワーズ徴候
解答
正解1(ステインマンテスト)
解説

ロッキングの既往、内側関節裂隙の圧痛、膝蓋跳動(関節水腫)がそろっており、内側半月板損傷を考える。半月板を関節面に挟み込んで疼痛を誘発するステインマンテストが陽性となる。

半月板は大腿骨と脛骨の間でクッションと適合性の調整を担う。内側半月板は内側側副靱帯と結合しているため可動性が乏しく、損傷を受けやすい。本例のように内側側副靱帯損傷の既往があるとこの傾向はさらに強まる。断裂した部分が関節面に挟まり込むと膝を伸ばせなくなるロッキングを起こし、関節裂隙に圧痛が出て、関節内の炎症で水腫が貯留し膝蓋跳動が陽性になる。ステインマンテストは膝屈曲位で下腿を回旋させ、半月板を大腿骨と脛骨の間に挟み込んで疼痛を誘発する検査で、下腿外旋で内側半月板、内旋で外側半月板に負荷がかかる。マックマレーテストやアプレー圧迫テストも同じ発想の検査なので、併せて確認して総合的に判断する。ロッキングを繰り返す例や伸展が戻らない例は医科の画像評価につなぐ。

✓ 1. これが答え
ステインマンテスト
膝屈曲位で下腿を回旋させることで半月板を関節面に挟み込み、関節裂隙の疼痛を誘発する検査。ロッキングの既往、内側関節裂隙の圧痛、膝蓋跳動という本例の所見と一致する。
✗ 2. 答えではない
エデンテスト
胸を張って肩を後下方に引き、橈骨動脈の拍動減弱や上肢症状をみる胸郭出口症候群(肋鎖症候群)の検査。評価する部位が頸胸部・上肢であり、膝とは無関係。
✗ 3. 答えではない
ホーマンズ徴候
足関節を他動的に背屈させて腓腹部の疼痛をみる所見で、深部静脈血栓症を疑うときに用いる。半月板の状態を評価する検査ではない。
✗ 4. 答えではない
ガワーズ徴候
床から立ち上がる際に自分の体をよじ登るようにする登攀性起立で、デュシェンヌ型筋ジストロフィーなど体幹・下肢近位筋の筋力低下を示す。外傷性の膝関節内障とは病態が異なる。
ポイント
  • 内側半月板損傷を疑う所見はロッキング、関節裂隙の圧痛、関節水腫(膝蓋跳動)。
  • 内側半月板は内側側副靱帯と結合して可動性が低いため、損傷を受けやすい。
  • 半月板の徒手検査はステインマン、マックマレー、アプレー圧迫。いずれも半月板を挟み込んで誘発する。
  • 膝蓋跳動は関節内に水腫があることを示す所見で、関節内損傷を裏づける。
  • ロッキングを繰り返す、伸展制限が戻らないときは医科の画像評価につなぐ。
比較表
検査法・徴候陽性で疑う病態評価する部位
ステインマンテスト半月板損傷膝関節
エデンテスト胸郭出口症候群(肋鎖症候群)頸胸部・上肢
ホーマンズ徴候深部静脈血栓症下腿
ガワーズ徴候近位筋の筋力低下(筋ジストロフィーなど)体幹・下肢近位
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