学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ31P113
理由で解く 柔道整復師
この設問は「考えられないのはどれか」を問うている。肩甲骨の内側縁と下角が浮き上がる翼状肩甲は、肩甲骨を胸郭に引きつける筋の麻痺で起こる。三角筋にはその役割がないため、原因としては挙がらない。
肩甲骨は鎖骨を介する以外に骨性の連結をもたず、前鋸筋・僧帽筋・菱形筋・肩甲挙筋といった筋の働きで胸郭に押しつけられて安定している。この「押しつけ役」が抜けると、上肢を挙げた際に肩甲骨の内側縁と下角が後方へ浮き上がる翼状肩甲となる。最も代表的なのは長胸神経麻痺による前鋸筋麻痺で、肩関節屈曲(前方挙上)や壁押し動作で著明になる。副神経麻痺による僧帽筋麻痺、肩甲背神経麻痺による菱形筋麻痺でも肩甲骨の固定が破綻し翼状肩甲を生じうる。一方、三角筋は肩甲骨・鎖骨から上腕骨へ付く筋で、上腕骨を動かす側にある。麻痺すれば外転力は落ちるが、肩甲骨そのものは胸郭から浮かない。「肩甲骨を胸郭に付ける筋か、上腕骨を動かす筋か」で切り分けるのがこの問題の要点である。
| 筋 | 支配神経 | 翼状肩甲 | 主な働き |
|---|---|---|---|
| 前鋸筋 | 長胸神経 | 生じる(最多) | 肩甲骨の外転・上方回旋、胸郭への固定 |
| 僧帽筋 | 副神経 | 生じる | 肩甲骨の挙上・内転・上方回旋 |
| 菱形筋 | 肩甲背神経 | 生じる | 肩甲骨の内転・下方回旋 |
| 三角筋 | 腋窩神経 | 生じない | 肩関節の外転・屈曲・伸展 |
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