学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ31P087
理由で解く 柔道整復師
長母指伸筋腱断裂が答え。これはコーレス骨折の代表的な合併症ではあるが、現れるのは母指を伸ばせないという運動障害で、疼痛が残る原因ではない。
コーレス骨折後に手関節痛が残るとき、痛みの出どころは尺側にあることが多い。骨折時に尺骨茎状突起も折れ、癒合せず偽関節になると、そこに付着する三角線維軟骨複合体(TFCC)ごと不安定になって尺側部痛が続く。橈骨の短縮や背側傾斜が残れば遠位橈尺関節のかみ合わせが崩れて不全脱臼となり、ドアノブを回す・タオルを絞るといった回内外動作で痛む。TFCC自体の損傷も同じく尺側部痛と回内外時痛を生む。一方、長母指伸筋腱は骨折部(リスター結節付近)で骨の凹凸に擦られたり血行障害を受けたりして、受傷から数週〜数か月後に突然断裂する。このとき患者が気づくのは「母指の先が伸ばせない」ことで、痛みはむしろ乏しい。だから固定期間中から母指の自動伸展を定期的に確認し、伸ばせなくなったら早めに医療機関へつなぐ。
| 合併症 | 主症状 | 疼痛残存の要因か |
|---|---|---|
| 長母指伸筋腱断裂 | 母指IP関節の伸展不能 | 要因ではない(運動障害が主) |
| 尺骨茎状突起偽関節 | 手関節尺側痛 | 要因である |
| 遠位橈尺関節不全脱臼 | 回内外時の尺側痛、可動域制限 | 要因である |
| 三角線維軟骨複合体損傷 | 尺側痛、握力低下、クリック | 要因である |
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