学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ31P086
理由で解く 柔道整復師
下角骨折では前外上方に転位する。下角には前鋸筋が付着しており、その牽引で骨片が前方かつ外上方へ引かれる。
肩甲骨は厚い筋層に包まれて胸郭の上を滑るように動くため、そもそも骨折が少なく、起こるときは強い直達外力を要する。骨折後の転位の向きは「その部位に何の筋が付いているか」で決まる。下角に付く前鋸筋は肩甲骨を胸郭に引きつけつつ前方へ引くため、骨片は前外上方へ転位する。上角に付くのは肩甲挙筋なので、骨片は上内方へ引かれる。骨体部は広く平たい部分で、直達外力に対して外力方向と交差する横骨折が多く、厚い筋に覆われているため大きくは転位しない。肩峰も靱帯と筋に支えられており転位はわずかにとどまる。肩甲骨骨折を認めたら、それだけの外力が加わったということなので、肋骨骨折・血気胸・鎖骨骨折・腕神経叢損傷の合併を確認したうえで医療機関へつなぐ。
| 部位 | 付着する筋 | 転位の方向 |
|---|---|---|
| 下角 | 前鋸筋 | 前外上方 |
| 上角 | 肩甲挙筋 | 上内方 |
| 烏口突起 | 上腕二頭筋短頭・烏口腕筋 | 下方 |
| 骨体部 | 厚い筋層に覆われる | 転位少。横骨折が多い |
| 肩峰 | 三角筋・僧帽筋、靱帯 | 転位は軽度 |
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