学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §12 心肺蘇生法(救急法) / QJ31P053

理由で解く 柔道整復師

QJ31P053 外科学概論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問53
問題
成人に対する胸骨圧迫心臓マッサージのテンポで適切なのはどれか。
選択肢
1 40回/分
2 60回/分
3 80 回/分
4 • 100回/分
解答
正解4(• 100回/分)
解説

成人の胸骨圧迫は1分間に100〜120回のテンポで行います。選択肢の中で適切なのは100回/分です。

胸骨圧迫は、心臓と胸腔を「押して血液を送り出し、戻して血液を満たす」ポンプとして働かせる手技です。テンポが遅すぎると1分あたりの拍出量が足りず、脳や心筋への血流を維持できません。逆に速すぎると1回ごとの圧迫解除が不十分になり、心臓に血液が戻りきらないまま次の圧迫に入るため、かえって拍出量と冠灌流圧が下がります。この上下の限界から100〜120回/分という幅が導かれます。テンポと並んで質を決めるのが、成人で胸が約5cm沈む深さ(6cmを超えない)、毎回胸を完全に元へ戻すこと(完全な圧迫解除)、圧迫の中断を最小限にすること、圧迫30回に対し人工呼吸2回の比、そして疲労で質が落ちるため約2分ごとに救助者を交代することです。AEDが到着したら速やかに装着し、音声指示に従います。

✓ 4. 適切
• 100回/分
推奨テンポは100〜120回/分で、選択肢のうちこの範囲に入るのは100回/分だけです。「1分間に100回以上」を身体で覚えるため、テンポの目安になる曲に合わせて練習しておくとよいでしょう。
✗ 1. 誤り
40回/分
遅すぎます。この速さでは1分あたりの血流量がまったく足りず、脳や心筋の灌流を維持できません。
✗ 2. 誤り
60回/分
安静時心拍数に近い数値ですが、胸骨圧迫で得られる拍出量は本来の心拍出量よりはるかに小さいため、同じテンポでは足りません。推奨より遅すぎます。
✗ 3. 誤り
80 回/分
4つの中では最も近いものの、推奨の下限である100回/分に達していません。100〜120回/分を目標とします。
ポイント
  • 成人の胸骨圧迫:テンポ100〜120回/分、深さ約5cm(6cmを超えない)。
  • 圧迫のたびに胸を完全に元へ戻す(完全な圧迫解除)。もたれかからない。
  • 圧迫の中断は最小限に。人工呼吸やAEDの解析でも中断を短く。
  • 圧迫30回:人工呼吸2回。人工呼吸ができない・ためらう場合は胸骨圧迫のみを続ける。
  • 疲労で質が落ちるため約2分ごとに交代。AED到着後は速やかに装着する。
比較表
質の要素成人での目安外れるとどうなるか
テンポ100〜120回/分遅い=拍出不足/速い=解除不十分で充満不足
深さ約5cm(6cmを超えない)浅い=血流不足/深すぎ=胸郭損傷
圧迫解除毎回完全に戻す不十分だと静脈還流が減る
中断最小限冠灌流圧が低下し再上昇に時間を要する
圧迫:換気30:2
交代約2分ごと疲労で深さ・テンポが低下
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