学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 外科学概論 ▸ §11 止血 / QJ31P052
理由で解く 柔道整復師
吐血は上部消化管、すなわちトライツ靱帯より口側(食道・胃・十二指腸)からの出血で起こります。本問で吐血と対比されている「小腸」は、トライツ靱帯より肛門側にある空腸・回腸を指し、ここからの出血は肛門側へ流れて下血となります。したがって「小腸−吐血」の組合せが誤りです。
出血は、血液が体外に出る外出血と、体腔・組織内にとどまる内出血に大きく分かれます。外出血は「どこから出た血が、どの出口から出るか」で呼び名が決まります。気道からの出血が咳とともに口から出れば喀血で、鮮紅色・泡沫状でアルカリ性、しばしば咳や呼吸器症状を伴います。上部消化管からの出血が嘔吐で出れば吐血で、胃酸で変性するためコーヒー残渣様〜暗赤色を呈し酸性です(食道静脈瘤破裂など出血が急速な場合は鮮紅色のこともあります)。トライツ靱帯より肛門側の出血は腸管を下って下血となり、上部〜空腸・回腸なら黒色タール便、大腸・直腸なら鮮血便になります。ここで注意したいのが小腸の範囲です。解剖学上、小腸は十二指腸・空腸・回腸からなりますが、そのうち十二指腸はトライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側にあたるため上部消化管に属し、十二指腸潰瘍では吐血をきたします。つまり「小腸だから下血」なのではなく、「トライツ靱帯より肛門側だから下血」と押さえるのが正確で、本問の小腸は十二指腸を除いた空腸・回腸の意味で使われています。尿路からの出血は血尿、女性生殖器からの出血は性器出血です。出口を手がかりに出血源の臓器を絞り込む、という発想でこの表は読めます。
| 喀血 | 吐血 | |
|---|---|---|
| 出血源 | 気管・気管支・肺 | 食道・胃・十二指腸(トライツ靱帯より口側) |
| 出かた | 咳とともに喀出 | 嘔吐とともに |
| 色調 | 鮮紅色 | コーヒー残渣様〜暗赤色 |
| 性状 | 泡沫を含む | 食物残渣が混じる |
| pH | アルカリ性 | 酸性 |
| 随伴 | 呼吸困難・胸痛 | 悪心・下血(タール便) |
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