学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §13 主要な疾患 呼吸器疾患 / QJ31P033

理由で解く 柔道整復師

QJ31P033 一般臨床医学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問33
問題
空気感染するのはどれか。
選択肢
1 肺結核
2 誤嚥性肺炎
3 慢性気管支炎
4 インフルエンザ
解答
正解1(肺結核)
解説

空気感染(飛沫核感染)する代表疾患は結核・麻疹・水痘であり、選択肢では肺結核が該当する。正答は1。

飛沫感染は、咳やくしゃみで飛ぶ直径5μm程度以上の水分を含んだ飛沫が1~2m程度の範囲で相手の粘膜に付着して起こるもので、サージカルマスクと距離の確保で防ぎうる。これに対し空気感染は、飛沫の水分が蒸発して残った5μm未満の飛沫核が空気中を長時間漂い、同じ空間の離れた場所にいる人にも到達する経路である。そのためN95マスクと陰圧個室による空気感染隔離が必要になる。空気感染するのは結核・麻疹・水痘の3つと限定的なので、「けっかく・はしか・みずぼうそう」だけを覚え、それ以外は飛沫か接触と考えると整理しやすい。

✓ 1. 正しい
肺結核
結核菌を含む飛沫核が空気中を漂うことで感染する(空気感染)。2週間以上続く咳、微熱、盗汗、体重減少がみられる患者では結核を疑い、施術を中止して速やかに医療機関の受診を勧める。診断されれば感染症法に基づく届出と空気感染対策が行われる。
✗ 2. 誤り
誤嚥性肺炎
唾液や胃内容物、口腔内の細菌が気道へ流入して起こる肺炎であり、人から人へ伝播する感染経路をもたない。嚥下機能が低下した高齢者に多く、口腔ケア、食事時の姿勢の工夫、食後の座位保持が予防の柱になる。
✗ 3. 誤り
慢性気管支炎
喫煙などを背景とする慢性の気道炎症で、COPDに含まれる病態である。慢性の咳と喀痰が続くが、疾患そのものが人にうつるわけではない。禁煙指導と、感染による増悪の予防(ワクチン接種など)が重要となる。
✗ 4. 誤り
インフルエンザ
主な感染経路は飛沫感染と接触感染である。サージカルマスクの着用、手指衛生、換気が対策の中心であり、空気感染対策(N95マスク・陰圧個室)を要する疾患としては扱われない。
ポイント
  • 空気感染(飛沫核感染)する代表は結核・麻疹・水痘の3つ。
  • 飛沫(5μm以上、1~2m)は飛沫感染、飛沫核(5μm未満)は長く浮遊して空気感染。
  • 空気感染対策=N95マスク+陰圧個室、飛沫感染対策=サージカルマスク+距離。
  • インフルエンザ・かぜ症候群・流行性耳下腺炎・風疹などは飛沫感染が主体。
  • 誤嚥性肺炎や慢性気管支炎は人から人へうつる疾患ではなく、感染経路の分類とは別に考える。
比較表
感染経路代表疾患必要な対策
空気感染(飛沫核感染)結核、麻疹、水痘N95マスク、陰圧個室
飛沫感染インフルエンザ、風疹、流行性耳下腺炎、百日咳サージカルマスク、距離の確保
接触感染MRSA、ノロウイルス、疥癬手指衛生、手袋・ガウン、器具の消毒
感染経路によらない誤嚥性肺炎、慢性気管支炎誤嚥予防・口腔ケア、禁煙
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