学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §4 リハビリテーション医学の評価と診断 / QJ31P016

理由で解く 柔道整復師

QJ31P016 リハビリテーション医学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問16
問題
失語症で正しいのはどれか。
選択肢
1 純粋語唖は発語面に限定した障害である。
2 純粋語聾では非言語音の理解が不良である。
3 超皮質性運動性失語では復唱が障害される。
4 ジャーゴンはブローカ失語に特徴的である。
解答
正解1(純粋語唖は発語面に限定した障害である。)
解説

純粋語唖は話す(発語)面だけが崩れる病態で、聴理解・読解・書字は保たれる。よって1が正しい。

失語症の型は「流暢性」「聴理解」「復唱」の3軸で整理すると混乱しない。純粋語唖(発語失行・アナルトリーに近い病態)は構音の運び方だけが障害され、書字で意思疎通できるのが特徴。純粋語聾は言語音の聴取・理解のみが選択的に落ち、純音聴力や環境音の認知は保たれる。超皮質性失語は名前に「超皮質性」と付いたら復唱は良好と機械的に覚えてよく、これは言語野とそれを結ぶ経路が島状に保たれ、その周囲の連合野側が障害されるために復唱の回路だけが残るためである。ジャルゴン(ジャーゴン)は流暢に喋るのに意味が通らない発話で、ウェルニッケ失語(感覚性失語)の代表所見。訓練では、残っている経路(書字・復唱・ジェスチャーなど)を手がかりに伝達手段を確保することから始めるとよい。

✓ 1. 正しい
純粋語唖は発語面に限定した障害である。
純粋語唖では、話そうとすると音の組み立てがうまくいかず努力性・非流暢になるが、聴理解・読解・書字は保たれる。障害が出力側の一点に限られるため、筆談での意思疎通が可能であり、これが診断上の決め手になる。
✗ 2. 誤り
純粋語聾では非言語音の理解が不良である。
逆である。純粋語聾で障害されるのは言語音の理解で、電話のベルや動物の鳴き声、音楽といった非言語音の認知は保たれる。純音聴力も正常で、話し言葉だけが「聞こえるのに意味が取れない」状態になる。
✗ 3. 誤り
超皮質性運動性失語では復唱が障害される。
超皮質性失語の定義的な特徴は復唱が保たれることである。超皮質性運動性失語では自発話が乏しく発話開始が困難だが、復唱や音読は良好で、聴理解も比較的保たれる。復唱が障害されるのは伝導失語やブローカ失語、ウェルニッケ失語のほう。
✗ 4. 誤り
ジャーゴンはブローカ失語に特徴的である。
ジャルゴンは流暢だが意味をなさない発話で、ウェルニッケ失語(感覚性失語)に特徴的。ブローカ失語は非流暢・努力性で発話量が少なく、助詞などが抜ける失文法を示す点が対照的である。
ポイント
  • 失語の型は「流暢性・聴理解・復唱」の3軸で分類する。
  • 純粋語唖=発語のみの障害。聴理解・読解・書字は保たれ、筆談が可能。
  • 純粋語聾=言語音の理解のみの障害。非言語音の認知と純音聴力は保たれる。
  • 「超皮質性」と付いたら復唱は良好。運動性=自発話が乏しい、感覚性=聴理解不良。
  • ジャルゴン(流暢で意味不明な発話)=ウェルニッケ失語の代表所見。
比較表
流暢性聴理解復唱特徴
ブローカ失語(運動性)非流暢比較的良好不良努力性発話・失文法
ウェルニッケ失語(感覚性)流暢不良不良ジャルゴン・錯語
伝導失語流暢良好不良音韻性錯語・自己修正
超皮質性運動性失語非流暢比較的良好良好自発話の開始が困難
超皮質性感覚性失語流暢不良良好反響言語
純粋語唖非流暢良好発語自体が困難書字は保たれる
純粋語聾流暢言語音のみ不良不良非言語音の認知は保たれる
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