学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §4 リハビリテーション医学の評価と診断 / QJ32P014

理由で解く 柔道整復師

QJ32P014 リハビリテーション医学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問14
問題
日本版ミニメンタルテスト(MMSE)に含まれるのはどれか。
選択肢
1 年齢を尋ねる。
2 知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってもらう。
3 5つの品物を見せて隠した後に何があったか言ってもらう。
4 五角形が2つ組み合わさった図を見せてその図形を描かせる。
解答
正解4(五角形が2つ組み合わさった図を見せてその図形を描かせる。)
解説

MMSEは「読む・書く・描く」といった動作課題を含む点でHDS-Rと決定的に異なります。交差した五角形の模写はMMSE固有の項目です。

MMSE(Mini-Mental State Examination)は30点満点・11項目の認知機能スクリーニングです。内訳は、時間の見当識5点、場所の見当識5点、3単語の即時再生3点、計算(100から7を順に引く。または単語の逆唱)5点、3単語の遅延再生3点、物品呼称2点、復唱1点、3段階の口頭命令3点、読字1点(「目を閉じてください」と書かれた文を読んで実行)、書字1点(文章を書く)、図形模写1点(交差する五角形)で、おおむね23点以下で認知症が疑われます。一方の改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)は30点満点・9項目で、すべて口頭のやりとりで完結し、20点以下で認知症が疑われます。選択肢を見たら「年齢」「野菜の語想起」「5つの品物」が出てきたらHDS-R、「書く・読む・描く」が出てきたらMMSEと機械的に振り分けてください。

✗ 1. 含まれない
年齢を尋ねる。
年齢を問うのはHDS-Rの第1問(2年までの誤差は正解)です。MMSEの見当識課題は、時間(年・季節・月・日・曜日)と場所(国・都道府県・市町村・施設名・階)に限られ、年齢は含まれません。
✗ 2. 含まれない
知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってもらう。
HDS-Rの語想起(言語流暢性)課題で、10個言えれば5点という配点です。MMSEには言語流暢性を測る項目がありません。前頭葉機能を反映する課題として、HDS-R側の特徴と覚えてください。
✗ 3. 含まれない
5つの品物を見せて隠した後に何があったか言ってもらう。
HDS-Rの物品記銘課題(時計、鍵、たばこなど互いに無関係な5品)です。MMSEの記憶課題は3つの単語を復唱させ、他の課題をはさんだ後に再生させる形式で、実物の提示は行いません。
✓ 4. 正しい(MMSEに含まれる)
五角形が2つ組み合わさった図を見せてその図形を描かせる。
MMSEの図形模写課題です。2つの五角形が交差して中央に四角形ができる形を、10個の角と交差部分が保たれた形で写せれば1点となります。視空間認知と構成能力をみる課題で、アルツハイマー型認知症では比較的早期から崩れやすい項目です。口頭のみで実施するHDS-Rには存在しません。
ポイント
  • MMSE=30点満点・11項目、23点以下で認知症疑い。「読む・書く・描く」の動作課題を含む
  • HDS-R=30点満点・9項目、20点以下で認知症疑い。すべて口頭で完結する
  • MMSE固有:五角形の模写、文章の書字、読字(目を閉じてください)、3段階命令、物品呼称
  • HDS-R固有:年齢、5つの物品記銘、野菜の語想起
  • 両者に共通:日時・場所の見当識、3単語の記銘と遅延再生、計算(100−7)
比較表
項目MMSEHDS-R
満点/項目数30点/11項目30点/9項目
カットオフ23点以下で認知症疑い20点以下で認知症疑い
年齢を尋ねるなしあり
記憶課題3単語の即時再生・遅延再生3単語の再生+5つの物品記銘
語想起(野菜)なしあり
図形模写(五角形)ありなし
読字・書字ありなし
実施形式口頭+筆記・動作口頭のみ
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