学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §1 病理学の意義 / QJ31A116

理由で解く 柔道整復師

QJ31A116 病理学概論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問116
問題
抗原抗体反応を利用した染色法はどれか。
選択肢
1 PAS染色
2 グラム染色
3 免疫組織化学
4 ベルリン青染色
解答
正解3(免疫組織化学)
解説

組織の染色法は、色素と組織成分の「化学反応」で染めるものと、「抗体」を使って染めるものに大きく分かれる。抗原抗体反応を利用するのは免疫組織化学である。

特殊染色の多くは、酸化還元反応や色素の結合性を利用して、糖・鉄・脂肪といった物質の「グループ」をまとめて染め分ける。これに対して免疫組織化学(免疫染色)は、目的の抗原にだけ結合する抗体をあらかじめ用意し、その抗体に酵素や蛍光色素を標識して抗原のある場所を可視化する。抗体は決まった抗原としか結合しないため、多数のタンパク質の中から狙った一つだけを選んで検出できる。この特異性の高さがあるからこそ、腫瘍がどの組織由来かの判定や、ホルモン受容体・特定分子の発現評価といった診断・治療方針の決定に用いられる。染色名を暗記するときは「抗体を使うか、化学反応か」で仕分けておくと、初見の染色名でも判断しやすい。

✓ 3. 正しい
免疫組織化学
標識した抗体を組織切片に反応させ、抗原抗体反応が起きた場所を発色させて観察する方法。選択肢の中で唯一、抗原抗体反応そのものを原理としている。
✗ 1. 誤り
PAS染色
過ヨウ素酸で糖鎖を酸化してアルデヒドを作り、シッフ試薬と反応させて赤紫色に発色させる化学反応。グリコーゲン、粘液、基底膜、真菌の細胞壁などを染めるが、抗体は使わない。
✗ 2. 誤り
グラム染色
細菌の細胞壁のペプチドグリカン層の厚さの違いによって色素が脱色されやすさが変わることを利用し、陽性菌を紫、陰性菌を赤に染め分ける細菌用の染色。菌を大まかに分類するための方法で、抗体は用いない。
✗ 4. 誤り
ベルリン青染色
三価鉄イオンとフェロシアン化カリウムが反応して青色の沈殿を生じることを利用し、組織中の鉄(ヘモジデリン)を証明する化学的な染色。プルシアンブルー染色とも呼ばれ、抗体は使わない。
ポイント
  • 免疫組織化学=抗体を試薬として使う染色。抗原抗体反応の特異性で、狙った分子だけを検出できる。
  • PAS染色=糖鎖(グリコーゲン・粘液・基底膜・真菌)を赤紫に染める化学反応。
  • ベルリン青(プルシアンブルー)染色=三価鉄の証明。ヘモジデリン沈着の確認に使う。
  • グラム染色=細菌の細胞壁構造による分類。組織染色ではなく細菌染色である。
  • 染色法は「抗体を使うか/化学反応か」で仕分けると、知らない名称が出ても選び分けられる。
比較表
染色法原理主な標的抗体を使うか
免疫組織化学抗原抗体反応+酵素・蛍光標識特定のタンパク質・抗原使う
PAS染色過ヨウ素酸酸化+シッフ反応グリコーゲン・粘液・基底膜・真菌使わない
ベルリン青染色三価鉄との化学反応ヘモジデリン(鉄)使わない
グラム染色細胞壁構造による脱色差細菌(陽性/陰性の分類)使わない
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