学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §1 運動学総論 / QJ31A106

理由で解く 柔道整復師

QJ31A106 運動学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問106
問題
関節運動で正しいのはどれか。
選択肢
1 伸展は体節同士のなす角度が小さくなる。
2 内転は体節が身体の中心線から遠ざかる。
3 内旋は開始肢位での前面が外側に向く。
4 分回し運動は体節が円錐形を描く。
解答
正解4(分回し運動は体節が円錐形を描く。)
解説

分回し運動は屈曲・外転・伸展・内転が連続して起こる複合運動で、体節の遠位端が円を描き、体節全体は関節中心を頂点とする円錐面をなぞる。よって4が正しい。

関節運動の名称は「どの面を、どの軸のまわりに動くか」で決まる。矢状面・前額水平軸まわりが屈曲と伸展、前額面・矢状水平軸まわりが外転と内転、水平面・垂直軸まわりが外旋と内旋である。それぞれ、屈曲は体節同士のなす角が小さくなる方向、外転は正中線から遠ざかる方向、内旋は開始肢位で前を向いていた面が内側(正中側)を向く方向、と一組ずつ対にして押さえておきたい。この問のように「屈曲と伸展」「内転と外転」「内旋と外旋」の定義だけを入れ替えた誤り選択肢は頻出なので、語頭の「内・外」と「角度が小さくなるか大きくなるか」を機械的に照合するとよい。分回しはこれら複数の面の運動がつながったもので、単独の運動軸をもたないため、2つ以上の運動軸をもつ関節で成立する。肩関節・股関節(球関節)が代表だが、橈骨手根関節やMP関節(楕円関節)、母指CM関節(鞍関節)でも可能である。逆に1軸性の蝶番関節(腕尺関節など)や車軸関節(上橈尺関節など)では起こらない。

✓ 4. 正しい
分回し運動は体節が円錐形を描く。
屈曲 → 外転 → 伸展 → 内転(またはその逆順)と運動が連続すると、体節の遠位端は円を描き、近位の関節中心を頂点として体節全体が円錐面をなぞる。回旋(軸まわりの回転)とは別物である点にも注意する。
✗ 1. 誤り
伸展は体節同士のなす角度が小さくなる。
なす角度が小さくなるのは屈曲である。伸展は角度が大きくなる方向、すなわち基本肢位へ戻る方向とそれを越える方向をいう。
✗ 2. 誤り
内転は体節が身体の中心線から遠ざかる。
正中線から遠ざかるのは外転である。内転は正中線に近づく運動で、「内=内側(正中)へ」と語頭で判断できる。
✗ 3. 誤り
内旋は開始肢位での前面が外側に向く。
前面が外側へ向くのは外旋である。内旋では前面が内側(正中側)を向く。上腕であれば手掌が体幹側へ回り込む動きにあたる。
ポイント
  • 屈曲=なす角が小さくなる/伸展=大きくなる(矢状面・前額水平軸)
  • 外転=正中線から遠ざかる/内転=近づく(前額面・矢状水平軸)
  • 外旋=前面が外側へ/内旋=前面が内側へ(水平面・垂直軸)
  • 分回し運動は屈曲・外転・伸展・内転の連続。遠位端が円、体節全体が円錐を描く
  • 分回しが可能なのは2軸以上の関節(球関節・楕円関節・鞍関節)。1軸性関節(蝶番関節・車軸関節)では起こらない
  • 「内・屈曲・角度が小さくなる」をひとまとまりで覚えると、定義を入れ替えた選択肢に強くなる
比較表
運動運動面運動軸定義
屈曲矢状面前額水平軸体節同士のなす角度が小さくなる
伸展矢状面前額水平軸なす角度が大きくなる
外転前額面矢状水平軸正中線から遠ざかる
内転前額面矢状水平軸正中線に近づく
外旋水平面垂直軸開始肢位の前面が外側を向く
内旋水平面垂直軸開始肢位の前面が内側を向く
分回し複数面の連続単一の軸をもたない(2軸以上の関節で可能)遠位端が円、体節が円錐を描く
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