学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ31A074

理由で解く 柔道整復師

QJ31A074 解剖学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問74
問題
咀嚼筋を支配するのはどれか。
選択肢
1 三叉神経
2 顔面神経
3 舌咽神経
4 迷走神経
解答
正解1(三叉神経)
解説

咀嚼筋(咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋)を動かすのは、三叉神経の第3枝である下顎神経である。

頭頸部の筋は、発生の途中でどの鰓弓(咽頭弓)からできたかによって支配神経が決まる。第1鰓弓(下顎弓)由来の筋は三叉神経、第2鰓弓由来の表情筋は顔面神経、第3鰓弓は舌咽神経、第4・6鰓弓由来の咽頭・喉頭の筋は迷走神経、という対応である。咀嚼筋は第1鰓弓由来なので三叉神経支配になる。三叉神経は3枝のうち下顎神経だけが運動線維を含み、咀嚼筋のほかに顎舌骨筋・顎二腹筋前腹・鼓膜張筋・口蓋帆張筋も動かす。「噛むのは三叉、顔つきは顔面」と役割で結びつけると取り違えにくい。

✓ 1. 正しい
三叉神経
下顎神経が卵円孔から出て咀嚼筋4つを支配する。咬筋・側頭筋・内側翼突筋は下顎を引き上げて閉口させ、外側翼突筋は下顎頭を関節結節へ引き出して開口と前方突出を行う。この外側翼突筋の働きは顎関節前方脱臼の理解にも直結する。
✗ 2. 誤り
顔面神経
第2鰓弓由来の表情筋(前頭筋・眼輪筋・口輪筋・頬筋など)と、茎突舌骨筋・顎二腹筋後腹・アブミ骨筋を支配する。ほかに舌前2/3の味覚、顎下腺・舌下腺・涙腺の分泌を担うが、咀嚼筋は受け持たない。
✗ 3. 誤り
舌咽神経
運動枝として支配するのは第3鰓弓由来の茎突咽頭筋のみ。ほかは舌後1/3の味覚と一般知覚、咽頭の知覚、耳下腺の分泌、頸動脈洞・頸動脈小体からの情報を扱う。
✗ 4. 誤り
迷走神経
咽頭収縮筋、口蓋帆張筋を除く軟口蓋の筋、および反回神経を介して喉頭の筋を支配する。加えて胸腹部内臓に広く副交感線維を送るが、咀嚼筋とは無関係である。
ポイント
  • 咀嚼筋は4つ:咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋。すべて下顎神経(三叉神経第3枝)支配。
  • 三叉神経で運動線維をもつのは下顎神経だけ。眼神経・上顎神経は知覚のみ。
  • 下顎神経はほかに顎舌骨筋・顎二腹筋前腹・鼓膜張筋・口蓋帆張筋も支配する。
  • 鰓弓と神経:第1=三叉、第2=顔面、第3=舌咽、第4・6=迷走。
  • 閉口は咬筋・側頭筋・内側翼突筋、開口と前方突出は外側翼突筋(+顎二腹筋など舌骨上筋群)。
比較表
鰓弓支配神経代表的な筋
第1(下顎弓)三叉神経(下顎神経)咀嚼筋4つ、顎舌骨筋、顎二腹筋前腹、鼓膜張筋、口蓋帆張筋
第2(舌骨弓)顔面神経表情筋、茎突舌骨筋、顎二腹筋後腹、アブミ骨筋
第3舌咽神経茎突咽頭筋
第4・6迷走神経咽頭収縮筋、軟口蓋の筋(口蓋帆張筋を除く)、喉頭筋
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。