学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ31A056

理由で解く 柔道整復師

QJ31A056 解剖学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問56
問題
歩行時に骨盤挙上に働く筋はどれか。
選択肢
1 中殿筋
2 梨状筋
3 内閉鎖筋
4 大腿方形筋
解答
正解1(中殿筋)
解説

正解は1。歩行の立脚期に骨盤を水平に保ち、遊脚側の骨盤が落ちないよう引き上げるのは中殿筋です。

中殿筋は腸骨翼の外面から起こり大転子に停止する、上殿神経支配の股関節外転筋です。歩行では片脚支持の時間があり、支えていない側(遊脚側)の骨盤は体重によって下へ落ちようとします。このとき立脚側の中殿筋・小殿筋が収縮し、大腿骨頭を支点にして骨盤を引き上げるため、骨盤は水平に保たれます。この働きが低下すると、片脚立位で遊脚側の骨盤が下がるトレンデレンブルグ徴候や、体幹を立脚側へ倒して代償するデュシェンヌ跛行が現れます。評価では片脚立位で骨盤の水平が保てるかを確認し、低下があれば股関節外転筋の強化と、荷重時の骨盤コントロール練習につなげます。

✓ 1. 正しい
中殿筋
立脚側で収縮し、大腿骨頭を支点に骨盤を引き上げて水平を保ちます。結果として遊脚側の骨盤挙上に働きます。
✗ 2. 誤り
梨状筋
仙骨前面から大坐骨孔を通って大転子尖に付く深層外旋六筋の一つです。主な作用は股関節外旋(屈曲位では外転)で、骨盤挙上の主動作筋ではありません。
✗ 3. 誤り
内閉鎖筋
閉鎖膜内面から転子窩に付く深層外旋六筋の一つで、作用は股関節の外旋です。
✗ 4. 誤り
大腿方形筋
坐骨結節から転子間稜に付く深層外旋六筋の一つで、こちらも作用は股関節の外旋です。
ポイント
  • 中殿筋:腸骨翼外面→大転子、上殿神経支配、股関節外転。
  • 歩行では立脚側の中殿筋が働き、遊脚側の骨盤が落ちるのを防ぐ(=骨盤挙上)。
  • 機能低下ではトレンデレンブルグ徴候(遊脚側骨盤の下降)、代償でデュシェンヌ跛行。
  • 梨状筋・内閉鎖筋・大腿方形筋は深層外旋六筋で、作用は外旋が中心。
  • 片脚立位で骨盤の水平を確認し、低下があれば外転筋の強化へつなげる。
比較表
起始→停止主な作用
中殿筋腸骨翼外面→大転子股関節外転、歩行時に骨盤を水平保持
梨状筋仙骨前面→大転子尖股関節外旋(屈曲位では外転)
内閉鎖筋閉鎖膜内面→転子窩股関節外旋
大腿方形筋坐骨結節→転子間稜股関節外旋
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