学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ31A051

理由で解く 柔道整復師

QJ31A051 解剖学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問51
問題
骨の組織で正しいのはどれか。
選択肢
1 ハバース管は海綿質にある。
2 骨端部は主に緻密質からなる。
3 骨端軟骨は骨膜で被われている。
4 フォルクマン管は血管の通路である。
解答
正解4(フォルクマン管は血管の通路である。)
解説

緻密質は「骨単位(オステオン)」の集まりで、その芯を骨の長軸方向に走るのがハバース管(中心管)、それらを横につないで骨の外側・内側と交通させるのがフォルクマン管(貫通管)です。フォルクマン管は血管と神経の通り道なので、4が正しい記述になります。

骨は硬い基質に囲まれた組織なので、血管が入り込む「配管」がなければ内部の骨細胞まで栄養が届きません。そこで緻密質では、骨層板が同心円状に重なった円柱状の単位(骨単位)が長軸方向にぎっしり並び、その中心のハバース管に細動脈・細静脈・毛細リンパ管・神経が通ります。しかし縦の管だけでは骨膜側や骨髄側の血管とつながれないため、長軸を横切る(斜めに走る)連絡路が必要になります。これがフォルクマン管で、ハバース管どうし、およびハバース管と骨表面・骨髄腔の血管を結びます。「縦がハバース、横がフォルクマン、中身はどちらも血管」と、走行方向とセットで覚えると混同しません。一方、骨端の内部を占める海綿質は骨梁(骨小柱)が網目状に組まれた構造で、すきまを骨髄と血管が直接走るため、骨単位もハバース管も持ちません。

✓ 4. 正しい
フォルクマン管は血管の通路である。
フォルクマン管(貫通管)は骨の長軸をほぼ横切る向きに走り、骨膜側から入った血管をハバース管へ導き、またハバース管どうしを連絡します。内容は血管が主で、神経も伴います。骨内部の栄養路の「横のつなぎ」だと押さえてください。
✗ 1. 誤り
ハバース管は海綿質にある。
ハバース管があるのは緻密質です。緻密質だけが骨単位(同心円状の層板の円柱)をつくり、その中心がハバース管にあたります。海綿質は骨梁とそのすきまの骨髄からなり、骨単位の構造をとりません。「骨単位・ハバース管=緻密質」と一続きで記憶しましょう。
✗ 2. 誤り
骨端部は主に緻密質からなる。
逆で、骨端部の主体は海綿質です。表面を薄い緻密質が覆っているだけで、内部は骨梁が力の伝わる方向に沿って組まれています。関節から受けた荷重を面で分散するには、密な骨より軽くて弾力のある骨梁構造が有利だからです。主に緻密質でできているのは骨幹のほうです。
✗ 3. 誤り
骨端軟骨は骨膜で被われている。
骨端軟骨(成長板)は骨端と骨幹端の間に挟まれた、骨の内部にある軟骨層です。外表面に露出していないため骨膜に覆われることはありません。骨膜は骨の外表面を覆いますが、関節軟骨に覆われた関節面は例外的に骨膜を欠きます。「骨膜が付かないのは関節面と骨端軟骨」と例外側で覚えると整理できます。
ポイント
  • 緻密質=骨単位(オステオン)の集まり。芯のハバース管を同心円状の骨層板が取り巻く。
  • ハバース管は骨の長軸方向(縦)、フォルクマン管は長軸を横切る向き(横)。どちらも血管・神経の通路。
  • 海綿質は骨梁とすきまの骨髄からなり、骨単位もハバース管もない。
  • 長骨は骨幹=緻密質が厚い/骨端=海綿質が主体で表面のみ薄い緻密質。
  • 骨膜は骨表面を覆うが、関節軟骨に覆われる関節面は除く。骨端軟骨は骨の内部なので骨膜に覆われない。
比較表
比較項目ハバース管(中心管)フォルクマン管(貫通管)
存在する部位緻密質(骨単位の中心)緻密質(骨単位を横断)
走行方向骨の長軸に平行(縦)骨の長軸を横切る(横〜斜め)
周囲の構造同心円状の骨層板に囲まれる同心円状の層板に囲まれない
つなぐ相手骨単位内の骨小腔・骨細管へ栄養を配るハバース管どうし、骨膜側・骨髄側の血管とハバース管
内容細動脈・細静脈・毛細リンパ管・神経血管(神経を伴う)
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