学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ30A058

理由で解く 柔道整復師

QJ30A058 解剖学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問58
問題
足関節を背屈させるのはどれか。
選択肢
1 後脛骨筋
2 長腓骨筋
3 短腓骨筋
4 第三腓骨筋
解答
正解4(第三腓骨筋)
解説

足関節の運動軸(内果と外果を結ぶ線)より前を通る腱は背屈、後ろを通る腱は底屈に働きます。選択肢のうち軸の前を通るのは第三腓骨筋だけです。

下腿の筋は区画ごとに神経と働きがそろっています。前面の伸筋群(前脛骨筋・長趾伸筋・長母趾伸筋・第三腓骨筋)は深腓骨神経の支配で、伸筋支帯の下をくぐって足関節の前を通るので背屈します。後面の屈筋群(下腿三頭筋・後脛骨筋・長趾屈筋・長母趾屈筋)は脛骨神経の支配で、アキレス腱や内果の後ろを通るため底屈します。外側面の長・短腓骨筋は浅腓骨神経の支配で、外果の後ろを回り込むので底屈と外返しを行います。第三腓骨筋は名前こそ腓骨筋ですが、長趾伸筋から分かれた前面の筋であり、深腓骨神経の支配で背屈に働く点が他の腓骨筋と異なります。腱がどちら側を通るかで作用を判断する習慣をつけると、暗記量を大きく減らせます。

✓ 4. 正しい
第三腓骨筋
腓骨前面の下部と骨間膜から起こり、伸筋支帯の下(足関節の前)を通って第5中足骨底に停止します。深腓骨神経の支配で、背屈と外返しに働きます。長趾伸筋の外側部から分かれた筋で、欠如することもあります。
✗ 1. 誤り
後脛骨筋
下腿後面の深層にあり、内果の後ろを通って舟状骨・楔状骨・立方骨などに広く停止します。脛骨神経の支配で、底屈と内返しを行い、内側縦アーチの保持にも関わります。
✗ 2. 誤り
長腓骨筋
外果の後ろを回り、足底を斜めに横切って第1中足骨底と内側楔状骨に停止します。浅腓骨神経の支配で、底屈と外返し、および横アーチの保持に働きます。
✗ 3. 誤り
短腓骨筋
長腓骨筋と同じく外果の後ろを通り、第5中足骨粗面に停止します。浅腓骨神経の支配で底屈と外返しを行います。停止部の第5中足骨粗面は下駄骨折の好発部位としても押さえておきましょう。
ポイント
  • 果間軸より前を通れば背屈、後ろを通れば底屈。腱の通り道で作用を判断する。
  • 背屈筋は前脛骨筋・長趾伸筋・長母趾伸筋・第三腓骨筋。いずれも深腓骨神経支配。
  • 「腓骨筋」でも第三腓骨筋だけは前面の筋で、深腓骨神経支配・背屈に働く。
  • 内返しは前脛骨筋と後脛骨筋、外返しは長・短腓骨筋と第三腓骨筋。
  • 足関節捻挫が内返しで起きやすいのは、外果が内果より長く低く、外返し筋が相対的に弱いため。
比較表
腱の通る位置支配神経作用
第三腓骨筋足関節の前(伸筋支帯下)深腓骨神経背屈・外返し
前脛骨筋足関節の前内側深腓骨神経背屈・内返し
後脛骨筋内果の後ろ脛骨神経底屈・内返し
長腓骨筋外果の後ろ浅腓骨神経底屈・外返し
短腓骨筋外果の後ろ浅腓骨神経底屈・外返し
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