学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §3 脈管系(循環器系) / QJ30A059

理由で解く 柔道整復師

QJ30A059 解剖学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問59
問題
外腸骨動脈の枝はどれか。
選択肢
1 下腹壁動脈
2 臍動脈
3 上殿動脈
4 閉鎖動脈
解答
正解1(下腹壁動脈)
解説

外腸骨動脈が骨盤内で出す枝は、下腹壁動脈と深腸骨回旋動脈の2本だけです。残る3肢はいずれも内腸骨動脈の枝です。

総腸骨動脈は仙腸関節の前で内腸骨動脈と外腸骨動脈に分かれます。内腸骨動脈は骨盤内臓・骨盤壁・殿部・会陰へ多数の枝を出す「骨盤の栄養担当」で、外腸骨動脈は骨盤内では臓器に枝を出さずに大腿へ向かう「通り道担当」です。外腸骨動脈は鼡径靱帯の下の血管裂孔を抜けて大腿動脈になりますが、その直前に内上方へ下腹壁動脈、外側へ深腸骨回旋動脈を出します。下腹壁動脈は腹直筋鞘の中を上行し、内胸動脈から続く上腹壁動脈と吻合するため、鎖骨下動脈系と腸骨動脈系をつなぐ側副血行路にもなります。また、この動脈は鼡径ヘルニアを内側型と外側型に分ける目印としても重要です。

✓ 1. 正しい
下腹壁動脈
外腸骨動脈が鼡径靱帯を越える直前に内上方へ出す枝で、腹直筋の後面を上行して上腹壁動脈と吻合します。深腸骨回旋動脈と並ぶ、外腸骨動脈の数少ない枝です。
✗ 2. 誤り
臍動脈
内腸骨動脈前幹の枝です。胎児期には臍帯を通って胎盤へ向かいますが、出生後は遠位部が閉鎖して内側臍索となり、近位部が上膀胱動脈として残ります。
✗ 3. 誤り
上殿動脈
内腸骨動脈後幹の枝で、梨状筋上孔を通って殿部へ出て、中殿筋・小殿筋などを養います。
✗ 4. 誤り
閉鎖動脈
内腸骨動脈前幹の枝で、閉鎖神経とともに閉鎖管を通って大腿の内転筋群へ分布します。
ポイント
  • 外腸骨動脈の枝は下腹壁動脈と深腸骨回旋動脈の2本のみ。骨盤内臓には枝を出さない。
  • 下腹壁動脈は腹直筋鞘内で上腹壁動脈(内胸動脈由来)と吻合し、側副血行路をつくる。
  • 下腹壁動脈の外側から出れば外鼡径ヘルニア、内側から出れば内鼡径ヘルニア。
  • 内腸骨動脈の代表的な枝:臍動脈(上膀胱動脈)、閉鎖動脈、子宮動脈・下膀胱動脈、内陰部動脈、上殿動脈・下殿動脈、腸腰動脈、外側仙骨動脈。
  • 上殿動脈は梨状筋上孔、下殿動脈と内陰部動脈は梨状筋下孔を通る。
比較表
動脈由来おもな分布
下腹壁動脈外腸骨動脈腹直筋・下腹壁(上腹壁動脈と吻合)
深腸骨回旋動脈外腸骨動脈腸骨稜付近の腹壁
臍動脈内腸骨動脈(前幹)膀胱上部(成人では内側臍索へ)
閉鎖動脈内腸骨動脈(前幹)大腿内転筋群
上殿動脈内腸骨動脈(後幹)中殿筋・小殿筋(梨状筋上孔を通る)
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