学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §3 脈管系(循環器系) / QJ30A060

理由で解く 柔道整復師

QJ30A060 解剖学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問60
問題
胸管と連絡しないのはどれか。
選択肢
1 左浅頸リンパ節
2 右腋窩リンパ節
3 左膝窩リンパ節
4 右深鼡径リンパ節
解答
正解2(右腋窩リンパ節)
解説

胸管は左半身全体と右下半身のリンパを集める。右上肢のリンパを受ける右腋窩リンパ節だけは右リンパ本幹に注ぐため、胸管とは連絡しない。

全身のリンパの本流は二系統に分かれる。ひとつは右リンパ本幹で、右頸リンパ本幹・右鎖骨下リンパ本幹・右気管支縦隔リンパ本幹が合流し、右静脈角(右内頸静脈と右鎖骨下静脈の合流部)へ注ぐ。集めるのは右の頭頸部・右上肢・右胸壁上部という「右上四半身」だけである。もうひとつが胸管で、第12胸椎〜第2腰椎前面あたりの乳ビ槽に始まり、大動脈裂孔を通って胸腔を上行し、左静脈角へ注ぐ。こちらは下半身の左右両方と左上半身、すなわち体の約4分の3のリンパを担当する。したがって仕分けの境界は「正中線」でも「横隔膜」でもなく、右上四分の一だけが別系統という一点に集約される。

✓ 2. これが答え(胸管とは連絡しない)
右腋窩リンパ節
右上肢と右胸壁のリンパを集める節で、そのリンパは右鎖骨下リンパ本幹を経て右リンパ本幹となり、右静脈角へ注ぐ。右上四半身に属するため、胸管とは連絡しない。
✗ 1. 胸管と連絡する(答えではない)
左浅頸リンパ節
左の頭頸部・浅層のリンパを集め、左頸リンパ本幹を経て胸管に合流し、左静脈角へ注ぐ。頭頸部でも左側なら胸管系である。
✗ 3. 胸管と連絡する(答えではない)
左膝窩リンパ節
下腿後面や足部からのリンパを受け、鼡径リンパ節から腰リンパ本幹、乳ビ槽を経て胸管へ至る。下半身は左右を問わず胸管系である。
✗ 4. 胸管と連絡する(答えではない)
右深鼡径リンパ節
右下肢深部のリンパを集めるが、下半身であるため右側でも右リンパ本幹には入らない。外腸骨・腰リンパ節を経て腰リンパ本幹から乳ビ槽、胸管へと上行する。
ポイント
  • 胸管=左半身全体+右下半身(体の約3/4)→左静脈角。右リンパ本幹=右上四半身のみ→右静脈角。
  • 境界は正中でも横隔膜でもなく「右上四分の一だけが別ルート」。右手・右耳・右胸上部だけが右、と唱えて仕分ける。
  • 胸管は乳ビ槽(第12胸椎〜第2腰椎前面)に始まり、大動脈裂孔を通って上行する人体最大のリンパ本幹。
  • 乳ビ槽には左右の腰リンパ本幹と腸リンパ本幹が集まるため、下肢は左右とも胸管系になる。
  • 「右」と書いてあるだけで右リンパ本幹と即断せず、上肢・頭頸部・胸部か、それとも下半身かを必ず確認する。
比較表
領域おもな経路注ぐ場所
右の頭頸部・右上肢・右胸壁上部右頸/右鎖骨下/右気管支縦隔リンパ本幹→右リンパ本幹右静脈角
左の頭頸部・左上肢・左胸部左頸/左鎖骨下/左気管支縦隔リンパ本幹→胸管左静脈角
下半身(左右とも)鼡径→腸骨→腰リンパ本幹→乳ビ槽→胸管左静脈角
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