学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §5 関係法規 / QJ31A050

理由で解く 柔道整復師

QJ31A050 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問50
問題
医療法の広告で正しいのはどれか。
選択肢
1 違反した場合は罰金に処せられる。
2 予約制施術を掲示することはできない。
3 インターネットによる広告は規制される。
4 地域で一番の施術である旨の広告ができる。
解答
正解3(インターネットによる広告は規制される。)
解説

医療機関のウェブサイトも平成30年6月から広告規制の対象となっています。よって正しい記述は3です。

医療に関する広告は、内容の適否を受け手が判断しにくく、不適切な広告による健康被害が大きくなりうることから、通常の商品広告より厳しく規制されています。かつては患者が自ら閲覧するウェブサイトは広告とみなされていませんでしたが、美容医療などをめぐるトラブルを受けて平成29年に医療法が改正され、平成30年6月からウェブサイトやメールマガジンなども規制対象に加えられました。医療広告ガイドラインでは、虚偽広告、他との比較で優良であることを示す比較優良広告、誇大広告、患者の主観による体験談、術前術後の写真で誤認を与えるものなどが禁止されています。規制の実効性は段階的に確保される仕組みで、都道府県知事等はまず開設者等に報告を求め、または立入検査を行って行政指導し、それでも改まらない場合や悪質な場合に広告の中止命令・是正命令(医療法第6条の8第2項)を出します。この命令に違反したときに適用されるのが罰則(同法第87条・6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金)です。虚偽広告のように条文が直接罰則を結び付けている類型を除けば、広告規制に触れた事実だけで自動的に刑が科される構造にはなっていません。なお本問は医療法についての設問ですが、柔道整復師法第24条第1項の広告制限も「広告できる事項を限定列挙する」という同じ考え方をとっています。両者は別の法令なので、対象(病院・診療所か、施術所か)と根拠条文を混ぜないように整理しておきましょう。

✗ 1. 誤り
違反した場合は罰金に処せられる。
医療法の広告規制は、違反があれば必ず罰金、という仕組みではありません。比較優良広告・誇大広告や、広告可能事項に含まれない事項の広告といった多くの違反では、まず都道府県知事等が報告徴収・立入検査を行って行政指導し、それでも改まらない場合に広告の中止命令・是正命令(第6条の8第2項)を出し、その命令に違反したときに罰則(第87条)が適用されます。虚偽広告のように条文が直接罰則を結び付けている類型もありますが、その第87条の法定刑は「6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金」であり、罰金と決まっているわけでもありません。段階を踏む点でも法定刑の点でも、「違反した場合は罰金に処せられる」と言い切ることはできません。
✗ 2. 誤り
予約制施術を掲示することはできない。
予約による診療・施術の実施は、医療法(予約による診療の実施の有無)でも柔道整復師法の広告制限(予約に基づく施術の実施)でも広告できる事項に含まれています。患者が受診の段取りを判断するために必要な客観的情報だからです。
✓ 3. 正しい
インターネットによる広告は規制される。
平成29年の医療法改正により、平成30年6月からウェブサイトやメールマガジンなども広告として規制の対象になりました。ホームページだから自由に書ける、という理解は現在では通用しません。開設後にサイトを作る際は、医療広告ガイドラインに沿って掲載内容を点検しましょう。
✗ 4. 誤り
地域で一番の施術である旨の広告ができる。
他と比べて優良であることを示す比較優良広告は禁止されています。「日本一」「地域No.1」「最高」といった表現は、客観的な裏づけがあるかどうかにかかわらず認められません。
ポイント
  • 【医療法】平成29年の医療法改正により、平成30年6月からウェブサイト・メールマガジン等も広告規制の対象になった。
  • 【医療法】禁止されるのは虚偽広告・比較優良広告・誇大広告・体験談・誤認を与える術前術後写真など。「日本一」「地域No.1」「最高」は比較優良広告として不可(裏づけの有無を問わない)。
  • 【医療法】違反への対応は報告徴収・立入検査(行政指導)→ 中止命令・是正命令(第6条の8第2項)→ 命令違反に罰則(第87条・6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金)という段階構造。虚偽広告は第87条の直接の対象になるが、いずれにせよ「違反=必ず罰金」ではない。
  • 【柔道整復師法】広告制限は広告できる事項の限定列挙方式。根拠は法第24条第1項(3項目)+厚生労働大臣が指定する事項の告示(平成11年厚生省告示第70号。7項目)で、施行令ではない。
  • 【柔道整復師法】法定の3項目:①柔道整復師である旨並びにその氏名及び住所/②施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項/③施術日又は施術時間。
  • 【柔道整復師法】告示の7項目:④ほねつぎ(又は接骨)/⑤施術所開設届出済みの旨/⑥医療保険療養費支給申請ができる旨(対象は打撲・捻挫・挫傷・脱臼・骨折。うち脱臼・骨折の患部の施術に係る申請については医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る)/⑦予約に基づく施術の実施/⑧休日又は夜間における施術の実施/⑨出張による施術の実施/⑩駐車設備に関する事項。
  • 【柔道整復師法】適応症、技能・施術方法・経歴に関する事項は広告できない。列挙にない事項は書けない。
比較表
観点医療法(病院・診療所)=本問の対象柔道整復師法(施術所)
根拠医療法第6条の5〜第6条の8、医療広告ガイドライン柔道整復師法第24条第1項+厚生労働大臣が指定する事項の告示(平成11年厚生省告示第70号)
規制の方式広告可能事項を法令で限定。ただし一定の要件を満たす場合は限定が解除される(広告可能事項の限定解除要件)広告できる事項の限定列挙のみ。限定解除の仕組みはない
広告できる事項診療科名/医師・歯科医師の氏名/診療日・診療時間、予約による診療の実施の有無/病床数などの施設に関する事項/法令に基づく届出・指定を受けた旨/厚生労働大臣が定める基準を満たす団体の専門医資格 など【法第24条第1項】①柔道整復師である旨・氏名・住所/②施術所の名称・電話番号・所在の場所/③施術日・施術時間
【告示(平成11年厚生省告示第70号)】④ほねつぎ又は接骨/⑤施術所開設届出済みの旨/⑥医療保険療養費支給申請ができる旨(脱臼・骨折の患部の施術に係る申請は医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る)/⑦予約に基づく施術の実施/⑧休日・夜間における施術の実施/⑨出張による施術の実施/⑩駐車設備に関する事項
広告できない事項虚偽広告/比較優良広告/誇大広告/患者の主観による体験談/誤認を与える術前術後写真 など適応症/技能・施術方法・経歴/「地域で一番」等の比較優良広告/誇大広告/虚偽広告(列挙にない事項は広告不可)
媒体の扱いチラシ・看板・新聞広告に加え、平成30年6月からウェブサイト・メールマガジン等も規制対象看板・チラシ等が中心。ウェブサイトについては医療法のような明文の規制対象化はされていないが、限定列挙の趣旨に沿った適正な表示が求められる
違反への対応報告徴収・立入検査(行政指導)→ 中止命令・是正命令(第6条の8第2項)→ 命令違反に罰則(第87条・6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金)。虚偽広告は第87条の直接の対象第24条違反に30万円以下の罰金(法第30条)
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