学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §2 医療過誤とリスクマネジメント / QJ31A039

理由で解く 柔道整復師

QJ31A039 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問39
問題
医療過誤で誤っているのはどれか。
選択肢
1 患者の過失が原因となる。
2 行為者に対して損害賠償請求ができる。
3 使用者に対して損害賠償請求ができる。
4 事故の内容によっては刑事責任が問われる。
解答
正解1(患者の過失が原因となる。)
解説

この設問は「誤っているのはどれか」を問うています。医療過誤は医療を提供する側の過失によって生じるものなので、患者の過失が原因とする1が誤りです。

医療事故のうち、医療従事者の注意義務違反(過失)によって患者に傷害などの結果が生じたものを医療過誤といいます。したがって原因は提供側にあり、過失の有無は「そのとき同じ立場の専門職に求められる注意を尽くしたか」という基準で判断されます。責任は民事・刑事・行政の3つの面から問われ、民事では損害賠償、刑事では業務上過失致死傷、行政では免許に関する処分が問題になります。日々の実務では、説明と同意の記録、施術内容と経過の記載、緊急時に医師へつなぐ判断基準をあらかじめ整えておくことが、患者の安全と自分自身の説明責任の両方を支えます。

✓ 1. これが誤り(=答え)
患者の過失が原因となる。
医療過誤の原因は医療を提供する側の過失です。患者側の事情が結果に関与した場合は、賠償額を決める際の過失相殺として考慮されることはありますが、医療過誤の成立要件そのものではありません。
✗ 2. 正しい記述(=答えではない)
行為者に対して損害賠償請求ができる。
不法行為責任(民法第709条)として、過失のあった本人に損害賠償を請求できます。
✗ 3. 正しい記述(=答えではない)
使用者に対して損害賠償請求ができる。
使用者責任(民法第715条)により、被用者が業務の執行について与えた損害は使用者も賠償責任を負います。開設者と勤務者の関係でも問題になります。
✗ 4. 正しい記述(=答えではない)
事故の内容によっては刑事責任が問われる。
業務上必要な注意を怠って人を死傷させた場合、業務上過失致死傷罪(刑法第211条)として刑事責任が問われることがあります。
ポイント
  • 医療過誤=医療提供側の過失により患者に傷害等が生じたもの。原因は提供側にある。
  • 民事責任は不法行為(民法709条)と使用者責任(民法715条)が中心。
  • 刑事責任は業務上過失致死傷罪(刑法211条)が問われうる。
  • 行政上は柔道整復師法に基づく免許の取消しや業務停止といった処分の対象になりうる。
  • 説明と同意、施術録の記載、医師へつなぐ判断基準の明確化を日常業務に組み込む。
比較表
責任の種類根拠内容
民事責任民法709条・715条行為者・使用者への損害賠償
刑事責任刑法211条業務上過失致死傷
行政責任柔道整復師法免許取消し・業務停止など
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。