学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §17 肩関節烏口下脱臼の診察および整復 / QJ31A017

理由で解く 柔道整復師

QJ31A017 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問17
問題
反復性肩関節脱臼の要因でないのはどれか。
選択肢
1 初回脱臼が10〜20歳
2 初回脱臼の短期間固定
3 上腕骨頭後外方の陥凹
4 関節窩前上縁骨折の存在
解答
正解4(関節窩前上縁骨折の存在)
解説

反復性肩関節脱臼の要因となる関節窩の骨損傷は前下縁(Bankart病変)であり、前上縁の骨折は要因に挙がらない。

反復性肩関節脱臼は、初回脱臼で生じた前下方の支持機構の破綻が修復されないまま、軽い外力で脱臼を繰り返す病態である。要因として、初回脱臼年齢が若いこと(10〜20歳代は再発率が高い)、初回の固定が不十分・短期間であること、上腕骨頭後外側の陥凹(Hill-Sachs損傷)、関節窩前下縁の関節唇剥離や骨折(Bankart損傷・骨性Bankart)が挙げられる。これらはすべて「前下方の支えが失われる」という一点でつながっており、部位を取り違えると別の病態になってしまう。初回脱臼時には年齢に応じた適切な期間の固定を行い、その後は肩甲帯・回旋筋腱板の筋力強化を続けることが再発予防につながる。

✓ 4. これが答え(要因ではない)
関節窩前上縁骨折の存在
前方脱臼で損傷されるのは関節窩の前下縁であり、前上縁ではない。部位が異なるため、反復性前方脱臼の要因としては挙がらない。
✗ 1. 要因である(答えではない)
初回脱臼が10〜20歳
若年で初回脱臼を起こすほど再発率が高いことが知られている。
✗ 2. 要因である(答えではない)
初回脱臼の短期間固定
損傷した関節包・関節唇が修復されないまま運動を再開することになり、前下方の支持性が回復しない。
✗ 3. 要因である(答えではない)
上腕骨頭後外方の陥凹
Hill-Sachs損傷。骨頭側の骨欠損が関節窩前縁に引っかかり、再脱臼を起こしやすくする。
ポイント
  • 反復性脱臼の本体は前下方支持機構(関節包・関節唇)の破綻。
  • Bankart損傷=関節窩前下縁の関節唇剥離・骨折。前上縁ではない。
  • Hill-Sachs損傷=上腕骨頭後外側の陥凹(骨欠損)。
  • 初回脱臼が若年(10〜20歳代)ほど再発率が高い。
  • 初回の固定不足は再発要因。適切な固定期間と、その後の筋力強化が予防になる。
比較表
病変部位内容反復性脱臼との関係
Bankart損傷関節窩の前下縁関節唇剥離、骨性なら同部の骨折要因となる
Hill-Sachs損傷上腕骨頭の後外側陥凹(骨欠損)要因となる
関節窩前上縁の骨折関節窩の前上縁前方脱臼の典型的損傷部位ではない要因に挙がらない
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