学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §11 コーレス(Colles)骨折の診察および整復 / QJ31A009

理由で解く 柔道整復師

QJ31A009 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問9
問題
高齢者の橈骨遠位端骨折で誤っているのはどれか。
選択肢
1 解剖学的整復が必須である。
2 長期固定は関節機能を障害する。
3 早期から手指の自動運動を行う。
4 発生原因として骨粗鬆症が背景にある。
解答
正解1(解剖学的整復が必須である。)
解説

高齢者の橈骨遠位端骨折では、解剖学的整復を必須とするより、機能の回復を優先した方針をとる。

高齢者の橈骨遠位端骨折は骨粗鬆症を背景とする脆弱性骨折で、軽い転倒でも粉砕を伴いやすく、完全な解剖学的整復とその保持が難しい。整復位に固執して長期間強固に固定すると、手指や手関節の拘縮、腫脹の遷延、複合性局所疼痛症候群などを招き、かえって日常生活動作を損なう結果になりやすい。したがって、可能な範囲で良好な整復位を得たうえで固定期間を必要最小限とし、受傷直後から手指・肘・肩の自動運動を促すのが基本方針となる。あわせて、転倒の背景(視力・薬剤・住環境)や骨粗鬆症の評価を医科につなぐことが、次の骨折を防ぐ対応になる。

✓ 1. これが答え(記述として誤り)
解剖学的整復が必須である。
高齢者では粉砕が強く整復位の保持が難しいうえ、機能予後は変形の程度より拘縮の有無に左右される。良好な整復を目指しつつも、最終目標は日常生活動作の回復に置く。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
長期固定は関節機能を障害する。
高齢者は拘縮を生じやすく、不要に長い固定は手指・手関節・肩の機能低下を招く。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
早期から手指の自動運動を行う。
手指の自動運動は腫脹の軽減と拘縮予防に有効で、固定中から積極的に行う。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
発生原因として骨粗鬆症が背景にある。
高齢女性に多い脆弱性骨折の代表であり、軽微な外力でも生じる。
ポイント
  • 高齢者の橈骨遠位端骨折は骨粗鬆症を背景とする脆弱性骨折。
  • 機能予後を左右するのは変形の程度より拘縮の有無。
  • 固定は必要最小限とし、手指・肘・肩の自動運動を早期から行う。
  • 強固で長期の固定は拘縮・腫脹遷延・複合性局所疼痛症候群の誘因。
  • 転倒要因の見直しと骨粗鬆症の医科的評価につなげる。
比較表
項目若年者高齢者
受傷外力比較的強い外力軽微な転倒でも受傷
骨質・粉砕良好・粉砕は少なめ骨粗鬆症・粉砕を伴いやすい
整復の目標解剖学的整復を重視機能回復を優先し可能な範囲で良好な整復
固定整復位保持を優先必要最小限とし拘縮を避ける
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