学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ30P114
理由で解く 柔道整復師
前腕遠位橈側(背側)の腫脹・圧痛に、母指の自動運動での増悪と握雪音が加わる。第1区画と第2区画の腱が交差する部位で摩擦が起きた腱交叉症候群である。
長母指外転筋と短母指伸筋(第1伸筋区画)は、前腕遠位で長・短橈側手根伸筋(第2伸筋区画)の上を斜めに乗り越えて走行する。この交差部(リスター結節から近位およそ4〜8cm)で腱と腱周囲組織が擦れ合うと、腱周囲炎を起こして腫脹・熱感・圧痛を生じ、母指や手関節を動かしたときに「雪を握るような」ザクザクとした軋轢音(握雪音・捻髪音)が触知・聴取できる。手関節を背屈位に保ったまま母指を反復して使う作業、たとえばキーボード操作やマウス操作、また漕艇や重量挙げなどで発症しやすい。対応としては、まず手関節背屈位での反復動作を減らす作業環境の調整(キーボード・マウスの高さ、リストレストの使用、こまめな休憩)を具体的に提案し、急性期には局所の安静・冷却と、母指から手関節を含む固定を行う。
| 疾患 | 痛む部位 | 特徴的所見 |
|---|---|---|
| 腱交叉症候群 | 前腕遠位橈背側(リスター結節の近位4〜8cm) | 腫脹・熱感・握雪音 |
| ド・ケルバン病(狭窄性腱鞘炎) | 橈骨茎状突起部 | フィンケルスタインテスト陽性、腱鞘の肥厚 |
| 回内筋症候群 | 前腕近位掌側 | 正中神経領域のしびれ、円回内筋部の圧痛 |
| TFCC損傷 | 手関節尺側 | 回内外・尺屈で疼痛、尺屈回外テスト陽性 |
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