学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ30P083

理由で解く 柔道整復師

QJ30P083 柔道整復理論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問83
問題
大腿骨骨幹部骨折で誤っているのはどれか。
選択肢
1 下肢の機能が全廃する。
2 介達外力では斜骨折となる。
3 異常膨隆がみられる。
4 高齢者に好発する。
解答
正解4(高齢者に好発する。)
解説

大腿骨骨幹部骨折は強大な外力がなければ起こらず、受傷の中心は青壮年です。高齢者に好発するとした4が誤りで、これが答えになります。

大腿骨骨幹部は人体で最も太く強い管状骨で、折るには交通事故や高所からの転落、コンタクトスポーツのような大きなエネルギーが必要です。したがって受傷者は青壮年が中心で、高齢者に多いのは同じ大腿骨でも海綿骨に富む頸部・転子部(大腿骨近位部)のほうです。骨幹部が折れると下肢の支持性が完全に失われて起立・歩行ができなくなり、周囲を太い筋群に囲まれているため出血が1000〜1500mLに達し、著明な腫脹と異常膨隆、時に出血性ショックをきたします。骨折型は外力の加わり方で決まり、直達外力なら横骨折や粉砕骨折、介達(捻転)外力なら斜骨折・螺旋状骨折となります。

✓ 4. これが誤り(=答え)
高齢者に好発する。
高齢者に好発するのは大腿骨近位部(頸部・転子部)骨折です。骨幹部は緻密骨が厚く強大な外力を要するため、交通事故や転落を受けやすい青壮年に多くなります。
✗ 1. 正しい記述(=答えではない)
下肢の機能が全廃する。
完全骨折では支持性が失われ、起立も歩行もできません。搬送時は患肢を動かさないよう固定し、出血量が多いことを前提に全身状態を観察します。
✗ 2. 正しい記述(=答えではない)
介達外力では斜骨折となる。
捻転や屈曲の力が伝わる介達外力では斜骨折・螺旋状骨折となり、局所に直接大きな力が加わる直達外力では横骨折や粉砕骨折になります。受傷機転から骨折型を推定できます。
✗ 3. 正しい記述(=答えではない)
異常膨隆がみられる。
骨片の転位と大量の内出血によって大腿部が著明に腫脹し、健側と比べて明らかに太くなります。腫脹の進行はコンパートメント症候群の警戒サインでもあります。
ポイント
  • 大腿骨骨幹部骨折は強大な外力が必要。青壮年の交通事故・転落・スポーツが中心
  • 高齢者に好発するのは大腿骨近位部(頸部・転子部)骨折。部位で年齢層が分かれる
  • 出血量は1000〜1500mLに達し、出血性ショックに注意する
  • 直達外力→横骨折・粉砕骨折/介達(捻転)外力→斜骨折・螺旋状骨折
  • 完全骨折では下肢の支持性が全廃。搬送時は患肢を動かさず固定し全身状態を観察する
比較表
外力骨折型受傷機転の例
直達外力横骨折、粉砕骨折大腿部への直接の打撃、衝突
介達外力(捻転・屈曲)斜骨折、螺旋状骨折足部固定下での体幹の捻れ、転倒
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