学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ30P082

理由で解く 柔道整復師

QJ30P082 柔道整復理論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問82
問題
大腿骨小転子骨折でみられるのはどれか。
選択肢
1 トレンデレンブルグ徴候
2 ドレーマン徴候
3 ナウマン徴候
4 ルドロフ徴候
解答
正解4(ルドロフ徴候)
解説

大腿骨小転子には腸腰筋が付着します。その裂離骨折で座位から股関節を自動屈曲できなくなるのがルドロフ徴候で、4が正しい選択肢です。

小転子の単独骨折は、腸腰筋の急激な収縮による裂離骨折として、骨端線が残るスポーツ少年に起こります。腸腰筋は股関節の主要な屈筋なので、付着部が外れると座位(股関節屈曲位)から膝を伸ばしたまま下肢を持ち上げる動作ができなくなり、これがルドロフ徴候です。鼠径部の腫脹・圧痛や小転子部の皮下出血を伴います。徴候名は丸暗記せず、「どの筋が、どこに付き、外れたらどの動作ができなくなるか」で結びつけると忘れにくくなります。なお成人で明らかな外傷なく小転子単独骨折を認めた場合は、病的骨折の可能性を念頭に医師へ紹介します。

✓ 4. 小転子骨折でみられる(=答え)
ルドロフ徴候
座位で膝を伸展したまま下肢を挙上できない現象で、腸腰筋の付着部である小転子が裂離したことを示します。鼠径部の圧痛・皮下出血とあわせて評価します。
✗ 1. 小転子骨折ではみられない(=答えではない)
トレンデレンブルグ徴候
中殿筋の機能不全でみられる徴候で、患肢での片脚立位時に遊脚側の骨盤が下がります。中殿筋が付くのは大転子であり、小転子(腸腰筋)とは付着筋も現れる所見も異なります。
✗ 2. 小転子骨折ではみられない(=答えではない)
ドレーマン徴候
大腿骨頭すべり症でみられる現象で、股関節を屈曲させると自然に外転・外旋を伴います。股関節の所見ではありますが、小転子の裂離を示すものではありません。
✗ 3. 小転子骨折ではみられない(=答えではない)
ナウマン徴候
小転子(腸腰筋付着部)の裂離を示す所見ではありません。本問で問われているのは「腸腰筋の付着部が外れたときに何ができなくなるか」であり、その観点で選ぶべきはルドロフ徴候です。
ポイント
  • 小転子=腸腰筋の付着部。裂離骨折は腸腰筋の急激な収縮で生じ、骨端線の残る少年に多い
  • ルドロフ徴候=座位で膝伸展位のまま下肢を挙上できない(股関節自動屈曲不能)
  • トレンデレンブルグ徴候=中殿筋(大転子付着)の機能不全。片脚立位で遊脚側の骨盤が下降
  • ドレーマン徴候=大腿骨頭すべり症。股関節屈曲で外転・外旋を伴う
  • 徴候名は「どの筋が、どこに付き、外れたら何ができなくなるか」で結びつけて覚える
  • 成人の外傷歴のない小転子単独骨折は病的骨折を疑い、医師へ紹介する
比較表
徴候責任構造・病態所見
ルドロフ徴候小転子(腸腰筋付着部)の裂離座位で膝伸展位のまま下肢を挙上できない
トレンデレンブルグ徴候中殿筋(大転子付着)の機能不全患肢片脚立位で遊脚側の骨盤が下がる
ドレーマン徴候大腿骨頭すべり症股関節屈曲時に外転・外旋を伴う
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