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理由で解く 柔道整復師

QJ30P074 柔道整復理論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問74
問題
成長期の外傷予防で誤っているのはどれか。
選択肢
1 筋力強化を積極的に行う。
2 筋の柔軟性を獲得する。
3 用具の整備を行う。
4 練習量を調整する。
解答
正解1(筋力強化を積極的に行う。)
解説

成長期は骨端線(成長軟骨板)と腱付着部が力学的に弱い時期です。この時期に筋力強化を「積極的に」行うのは適切とはいえず、1が誤りで答えになります。

成長期の骨には骨端線が残っており、この軟骨層は周囲の骨や腱・靱帯より弱いため、強い牽引や剪断が加わると骨よりも先に骨端線が損傷します。腱付着部でも同じことが起こり、脛骨粗面のオスグッド・シュラッター病、踵骨隆起のシーバー病、上腕骨内側上顆の裂離(いわゆるリトルリーグ肘)が代表です。さらに骨の伸長に筋腱の伸長が追いつかず、相対的に柔軟性が落ちる時期でもあります。そのためまず柔軟性の確保と練習量の管理、用具・環境の整備を優先し、筋力トレーニングは禁止ではなく、自体重を用いた低負荷でフォームを整えるところから段階的に進めます。

✓ 1. これが誤り(=答え)
筋力強化を積極的に行う。
骨端線が閉鎖していない時期に高負荷のレジスタンス運動を優先すると、骨端線損傷や腱付着部の裂離を招きかねません。自体重・低負荷でフォームを重視した運動から始め、成長の段階と疼痛の有無を確認しながら負荷を上げていきます。
✗ 2. 正しい記述(=答えではない)
筋の柔軟性を獲得する。
成長期は骨長の伸びに筋腱が追いつかず柔軟性が低下しやすく、それが腱付着部への牽引ストレスを増やします。ハムストリングス、大腿四頭筋、下腿三頭筋のストレッチを習慣づけます。
✗ 3. 正しい記述(=答えではない)
用具の整備を行う。
体格の変化が速いため、シューズやプロテクターのサイズが合わなくなりやすく、摩耗も進みます。定期的に点検し、体格に合ったものへ更新します。
✗ 4. 正しい記述(=答えではない)
練習量を調整する。
過度な反復練習はオーバーユース障害の最大の要因です。休養日を確保し、疼痛が出た時点で量と内容を見直します。
ポイント
  • 成長期は骨端線(成長軟骨板)が周囲の骨・腱・靱帯より弱く、そこが先に損傷する
  • 代表的な骨端症・裂離=脛骨粗面(オスグッド)、踵骨隆起(シーバー)、上腕骨内側上顆(リトルリーグ肘)
  • 骨の伸長に筋腱が追いつかず柔軟性が低下する時期。ストレッチを優先する
  • 筋力トレーニング自体は禁止ではなく、自体重・低負荷でフォームを整えてから段階的に進める
  • 練習量の管理と用具・環境の整備がオーバーユース障害の予防の柱
比較表
部位牽引する筋・腱代表的な病態
脛骨粗面大腿四頭筋→膝蓋腱オスグッド・シュラッター病
踵骨隆起下腿三頭筋→アキレス腱シーバー病(踵骨骨端症)
上腕骨内側上顆前腕屈筋群(屈曲回内筋群)内側型野球肘(裂離骨折)
下前腸骨棘・坐骨結節大腿直筋/ハムストリングス骨盤裂離骨折
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