学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §12 総論 後療法 / QJ30P072

理由で解く 柔道整復師

QJ30P072 柔道整復理論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問72
問題
高齢者の外傷予防におけるエクササイズと目的の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 片足立ち→柔軟性の改善
2 ストレッチ骨密度の増加
3 ジョギングーバランスの向上
4 スクワット・ーーー筋力の増強
解答
正解4(スクワット・ーーー筋力の増強)
解説

エクササイズは「何を鍛えたいか」で選びます。スクワットは下肢の抗重力筋に自体重の抵抗をかける筋力トレーニングなので、4の組合せが正しくなります。

高齢者の外傷予防は、転ばない体をつくる(筋力・バランス)、転んでも折れない骨をつくる(荷重運動による骨密度維持)、動ける範囲を保つ(柔軟性・全身持久力)の三本立てで考えると整理できます。スクワットは大腿四頭筋と殿筋群という立ち上がり・歩行を支える筋を働かせ、同時に骨へ長軸方向の荷重が加わる点でも有利です。片足立ちは支持基底面を狭めて姿勢制御を働かせるバランス訓練、ストレッチは筋腱の伸張性を高める柔軟性訓練、ジョギングは有酸素運動として全身持久力を高めるもの、というのが本来の対応です。開始にあたっては疼痛や既往を確認し、椅子や手すりで支持を確保したうえで回数と負荷を段階的に増やします。

✓ 4. 正しい組合せ(=答え)
スクワット・ーーー筋力の増強
膝と股関節を同時に使う多関節運動で、大腿四頭筋・大殿筋・ハムストリングスに自体重の抵抗がかかります。立ち上がりや階段昇降といった転倒に直結する動作の改善につながり、荷重刺激は骨にも働きます。
✗ 1. 組合せが誤り(=答えではない)
片足立ち→柔軟性の改善
片足立ちは支持基底面を狭めて姿勢制御系(前庭・視覚・体性感覚)を働かせる運動で、目的はバランス能力の向上です。柔軟性を狙うならストレッチを選びます。
✗ 2. 組合せが誤り(=答えではない)
ストレッチ骨密度の増加
ストレッチの目的は筋腱の伸張性、すなわち柔軟性の改善です。骨密度を高めたい場合は、歩行やスクワットのように骨へ荷重・衝撃が加わる運動を選びます。
✗ 3. 組合せが誤り(=答えではない)
ジョギングーバランスの向上
ジョギングは有酸素運動で、全身持久力(心肺機能)の向上が主目的です。高齢者では膝・足部への負担も考え、まず速歩から段階的に導入します。
ポイント
  • スクワット=筋力(大腿四頭筋・殿筋群)。立ち上がり動作の改善に直結し、骨への荷重刺激にもなる
  • 片足立ち=バランス能力。支持基底面を狭めて姿勢制御を働かせる
  • ストレッチ=柔軟性。筋腱の伸張性を高める
  • ジョギング・速歩=全身持久力(有酸素能力)
  • 高齢者の外傷予防は「筋力・バランス・骨密度・柔軟性・持久力」を目的別に組み合わせる
比較表
エクササイズ主な目的働く要素
スクワット筋力の増強大腿四頭筋・殿筋群、骨への荷重
片足立ちバランスの向上姿勢制御(前庭・視覚・体性感覚)
ストレッチ柔軟性の改善筋腱の伸張性
ジョギング・速歩全身持久力の向上心肺機能
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